私が今回読んだ本からはどれも、それをビシビシ感じるからです。(なんだ、その根拠・・・)その気持ちが、最初から最後までぶれてないと思われたのはこの本。
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『人類の知的遺産37 ニュートン』 萩原明男 著 (昭和57年 講談社)(ISBN4-06-145337-8) |
平成の世になってニュートン研究が進んで、実はこの記述間違ってますよ、ということもあるのかもしれません。もし、ここは大きく異なっているという点をご存知の方がいらっしゃったら、教えていただければ幸いです。
でもね、この本がすげえ!と思えたのはね、まず、この本の著者、萩原さんがニュートンをたった一人で研究し始めた当時の日本の様子、萩原さんの学生時代の原体験でっす。これは鳥肌もんですよ~。戦後の混乱期に「プリンキピア」を手にしたとか、友人の死を見下ろす下りは、ぞくっ!としました。こりゃあ、一生真似できない体験だ。一般人のあっしとしては、ここだけ読むだけで本当は十分です・・・(※1)
この本の中では、ニュートンについてケインズという人の言葉を補って、こんなふうに書かれておりました。
「完成者としては最初の科学者であり、そして開拓者としては最後の魔術師だったというべきであろう」 (※2)
自然科学のうちある学問分野においては、その理論や方法が現代まで生きる「完成者」である一方で、いくつかの分野においては、矛盾だらけの「錬金術師を思わせる」人だったということですが。ふーん・・・
って、あーた!分かる?これ?ぶっちゃけ、私は、「はぁ!?」って思っちゃうんですけどお。
「はぁ!?なんですか、それ?」です。
イメージでいうと、「裁判官だけどAKB48の追っかけやってます」みたいな印象なんですけどお。(個人の妄想です。また、実際にいらしたらごめんなさい。単なる私の偏見です。)
ニュートンが研究していたことを読んでいくと、ドンピシャな表現だとわかるのですが、アタシには現実感がないです。17世紀ヨーロッパって難しいし、AKBファンもいろいろじゃん?(だから、妄想です)
でもさ、もし目の前に本人が現れて、「僕はいろいろ頑張ってやっているんです!」と言われたら、思わず「ふーん、すごいですね~。頑張ってるんですね~。どーぞ、秋葉原までお気をつけて~」って応援したくなるんじゃないかな。一気に身近になるというか・・・乱暴ですが、そのような説得力を持つのがこの本。
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「天才!?科学者シリーズ7 ニュートン ~宇宙の法則を見つけた男~」 ルカ・ノヴェッリ 著 関口英子 訳 日本語版監修 滝川洋二 (2009 岩崎書店)(ISBN 978-4-265-04677-5) original tilte: NEWTON E LA FORMULA DELL'ANTIGRAVITA |
まあとにかく、ニュートンは、複雑な時代の中でいろんなことを精一杯頑張ってたんだな~と普通に思えてしまう。「大体の様子がわかればいい」という大人は、これで十分だと思うな。
「難しい本は嫌だけど、もうちょっと詳しく知りたいな」という文系のアナタには、こちらを、ぜひ。
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『数学をきずいた人々』 村田 全 著 (2008新装版 さ・え・ら書房) (ISBN 978-4-378-01831-7)(※1976年初刊行) |
ユークリッド幾何学とデカルトがニュートンを知る上では必須アイテムで、また、小中高でやった算数・数学の問題は、とっても歴史のある深い伝統だったんだ!って驚いちゃうんだから。それにさっきの萩原さんもこう言ってます。
「・・・ニュートンの思考をささえたのが、自然の記述を重視する数学的方法だったことをいまはっきりと理解しなければならないであろう。」 (※3)
あーあ。もうちょっと、数学の計算や思考の訓練をしとけばよかった。
デパートのクリアランスセールで、「あー!さっき見たワンピース、やっぱり買っておけばよかった~!もう、ない!(泣)」的な喪失感。(がっくり)
そうなのです。センスのいいものは、早めにゲットしておかなければなりません。数学は、「ニュートン・デパート」の中の超センスいいショップみたいなもんです。そこのアイテムは人生の早いうちに即買いですよ、お嬢さん!
いや・・・あの、数学的センスゼロで人生も後半戦に突入してしまった・・・というプレお年寄りの皆さん。大丈夫、最初の萩原さんの本にこんな言葉があります。長いけど、ちょっと載せちゃう。
「ニュートンがその生涯を通して自然にたいしたのは、自然の運動、物体のはたらきは、「いかにして」おこなわれるかであった。そしてそれが「何」であるか、それとも「なぜ」おこなわれうるか、そう問うことは、あくまでも押さえることであった。」
「ニュートンにとって、事実とその数量関係のみが重要であるということは、光が「いかに」あるかということであり、「何」であるかということではない。ということは確実に「いかに」あるかを知ることが大切であることは、それが「何」であるかを問わないことであろう。」(※3)
この部分は素人でもちょっとだけ真似できるかなと思うです。
たとえば、「光とは何だろう」と疑問に思ったときに、すぐに「光とは○○である」という定義に向かっていっちまうんじゃなくってさ、自分の最大の能力でいいから、「光」はこんな動きをするんだよ、こんな現象があるんだよと観察していくこと。これが、基礎知識に欠けるアタイのような人がとるべき、「光」というものへの最も誠実な向き合い方かもしれないなあって思うんです。ニュートンの一万分の一、一億分の一・・・かもしれませんが。(若干、自分へのなぐさめ)だって、数学のツールがなければ、本当には理解できないんだからさ。
チョット前になりますが、『季刊 理科の探検2013春号』の特集記事はいろんな人が光と色にまつわるいろんな現象と実験について書いています。その中でも虹のお話がすごいよ!!虹って、いろいろあるんだよ!虹の写真、よく撮ったな~、すごいな~って思います。
それから、タイトル通り、まじでびっくりするのはこれ!
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『びっくり、ふしぎ 写真で科学② 見えない光を見る』 (ガリレオ工房 編 伊知地国夫 写真 滝沢美絵 文) (2003 大月書店)(ISBN 4-272-40432-6) |
おチビちゃんが自分で読むなら、これもステキだよ。
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『ひらいてみよう!かがくのとびら② 光のふしぎ』 キム・テイラーさく 山下恵子 やく (1997 岩崎書店)(ISBN 4-265-05942-2) |
プリズムから出てくる七色の光、見たことある?あれってさ、実はプリズムに当たった太陽光線のごくわずかな部分なんだよね。この本に、太陽光線が「プリズムの内側でほとんど反射され」て外にはねかえっているって書いてあって、面白かった。プリズムを通って七色になれる光って、難関の司法試験に合格した弁護士さん、とか、そんな感じだな(笑)
ニュートンも、選ばれた七色の光の一つだったのかもね~。
ほかにも、ニュートンの偉大さに触れられるものはたくさんあります。もっと新しくていい本もいっぱいあるでしょう。それを探しに行くだけでもなかなか大変なことです。一生かかってしまうかもしれない。
はい、私はぼちぼち探します。なので、今日はここでおしまい。またしても中途半端でしたね。はい・・・。では。
※1 『人類の知的遺産37 ニュートン』 Ⅰ-1 ニュートンとわたし
※2 (同上) Ⅰ-22 ニュートンと死
※3 (同上) Ⅰ-14 ニュートンと光学論争 「ニュートンの数学的方法とは」p.91-92