~つぶつぶScientiaへようこそ!~

イチゴアイスの中に入っている小さな苺のつぶ、海辺で手のひらに残った砂つぶ、乾いた地面に落ちた最初の雨つぶ…小さいことだけど、ちょっと人生が楽しくなったり豊かになる。そんなつぶつぶを探しに行こう。

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2019年3月24日日曜日

【報告】科学実験ショー「モシモさんとナンデさん」

科学実験ショー@トモイクフェスティバル2019
「モシモさんとナンデさん」

2019年3月24日(日)開催

前日のみぞれ混じりの寒さが嘘のような快晴の空の下、科学実験ショー「モシモさんとナンデさん」が行われました。3回公演で観客は約80名。すごいではありませんか!
快晴の空と逗子文化プラザ市民交流センター
昨年と同様、行われたのは空気を知るとーってもベタな実験ショーです。ベタなのに、各回とも大変盛り上がってしまいました・・・。よいのでしょうか・・・。
しかも、実験がうまくいかないその度に「実験に失敗はつきものである!」と開き直る出演者に対して、暖かく見守ってくださりなんと申し上げてよいのやら・・・。

開演を待つ人々
今回の「もしも・・・だったら」「なんで・・・なのか」という問いかけは、実はとても難しいものばかり。それにも関わらず、説明を真剣に聞いてくれたり、考えを大きな声で述べてくれたり、真っ直ぐなまなざしで手を挙げてくれたり、「実験ショーのお姉さん」と呼んでくれたり、空気砲のカウントダウンをしてくれたり、キャーこわーいムリーと言ってくれたり、ショーを盛り上げてくれました。
ううう、ありがとう!
これからも、ぜひ正しい「モシモさんとナンデさん」として、科学に興味を持ってくれたまえ!よ!


最後になりますが、ご来場くださった皆様、また、ショーの開催にご協力・ご支援下さったすべての皆様に感謝申し上げます。
どうもありがとうございました!
空気圧の説明に使った板。空気は私たちをいつも押している。下からも押しているのだ~。

終了後の様子。楽しかった~。


【おまけ】
~カガクの粒の中の人のキモチ~
 今回は、何名かの方から、小学校や子供会などで公演をしてもらえないかとお声がけを頂きました。長くカガクの粒の活動をご覧になって来た方にはお分かりかと思いますが、まさかそのようなお誘いを頂けるとはと非常に驚き、また非常に嬉しく思っております。しかし、残念ながら現在、カガクの粒では、出張授業は行っておりません。
 お誘いの際にお答えしたことなのですが、カガクの粒の中の人の思いとしてもう一度お伝えしたいと思います。

 ぜひご自身で実験ショーを行ったり、サイエンスワークショップにチャレンジしてみてください。

 今回行った実験は次の通り。
1)浮かぶ風船(コアンダ効果を利用する)
2)空気砲(押し出された空気の動き)
3)逆さコップ(大気圧の実験)
4)三角フラスコの中に水風船を入れる(温度と気体の体積の関係)

 これらはすべて、小中学校の理科のトピックでもあり、数十年前から実験ショーの定番ネタです。現代では、原理から材料、やり方まで、様々なウェブサイトや動画サイトで調べることができます。材料も特別なものを用意しなくてもできるように、たくさんの方が工夫しています。それをどんどん活用しましょう。サイトを見て、ご自分で工夫してみてもよいでしょう。子供たちと、大人同士で、地域で、もちろん一人でも、実際にご自分の手を動かして行うことは、実験ショーを受け身で見るよりも、場合によっては沢山のことを知ることができるのではないかと思うのです。一人で不安な時、声をかけてみるとよいでしょう。面白がってくれる人は案外たくさんいるものです。
実験ショーの舞台裏大公開。
演じる順番に左から機材を並べています。
面白がってもらうためには、事前のトークの練習も大切です。
また、公共機関や科学館を積極的に利用しましょう。多くの機関は、大変優れたコンテンツを提供しています。相談すれば的確なアドバイスをくれるでしょう。餅は餅屋に、と言いますが、プロの知見や経験の深さ広さは、一般人は及ばないものです。インターネットでは信頼性に欠けるコンテンツもある中で、科学館が提供するコンテンツやアドバイスに対しては、そのような不安を抱く必要はありません。
 こんな風にして、皆さんご自身の手の届く範囲で、皆さんのお近くで、科学の話が繋がって、そして面白がって楽しんでくれる方が増えるのがよいなあと、中の人は思っております。


(おわり)


2018年3月31日土曜日

【報告】科学実験ショー「はたらく空気」

科学実験ショー@トモイクフェスティバル2018
「はたらく空気」

2018年3月25日(日)開催

子供たちが春休みに入ったばかりの週末、神奈川県は逗子市で、様々な出展者が集まる市民交流イベント「トモイクフェスティバル」が行われました。カガクの粒は、科学実験ショーで参加です。普段目に見えない空気が「はたらく」様子、どんな様子かな?

空気は風船を膨らませます。
勢いのある空気は、膨らんだものを浮かせませす。

いつもより余計に浮かせます。
おお・・・これが噂の空気砲か・・・(ザワザワ)
目には見えなくても少し硬いもの(紙コップのタワー)
が倒れたぞ・・・(ザワザワ)

おおおおおおお・・・
煙で見えるようにしたら、こうなるのか!
煙だ~っ!!ウエーイ!!(お約束)

グラスの中のお水を下から支える空気の実験。
逆さまのグラスの蓋を支えている力は
どのくらいつおいでしょーか!?
キャー、お水こぼれそう!どきどきするー!
空気は普通は目に見えないけど、
空の雲を見ると地球上の空気が
どんなふうに動いているか見えるんですよ。
空気の動きをコンピュータで予想する研究をしている人もいます。
(写真パネルは昨年の『雲のおはなし』で飾ったものの一部)

科学館を訪れたことのある方、理科や科学の話が好きな方には毎度お馴染みの実験ばかりですが、ライブで見るとかなーり面白いものです。お天気にも恵まれて、来場者数は70名近く。驚きあり、ハラハラドキドキあり、歓声や真剣なまなざしあり、と大変大変盛り上がりました。楽しかったですね!

今回のショーの内容は、神奈川県立青少年センター科学支援課にて行われた「おもしろ実験・科学工作指導者セミナー」にて教授していただいたものです。このセミナーでは、実験ショーのやり方や機材の使い方指導のほか、事故の訴訟例の講義もあり、科学の面白さを伝えたいけれどどこから手を付けたらいいかわからないという一般の方を応援してくれます。

2017年度のカガクの粒のイベントは、この実験ショーのみでしたが、開催にあたり、沢山の方々にご協力・応援頂きました。大変お世話になりありがとうございました。また、なにか楽しいことができるとよいなあと思っています。今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。

(おわり)

2017年4月1日土曜日

【報告】Sweet Science 雲のおはなし

Sweet Science vol.8 『雲のおはなし』
2017年3月25日(土) @黒門カフェ 渚小屋
ゲスト:荒木健太郎さん(気象庁 気象研究所 予報研究部研究官/雲研究者)

 水滴ではなく氷晶をたたえた雲が空にある時、大気光学的に面白い現象を見ることができます。3月25日(土)逗子海岸上空には巻層雲が広がっていました。太陽の周りには日暈(ひがさ)が。

日暈は「ハロ」と呼ばれています。こちらの写真は太陽を中心に視半径22度の円周に現れる内暈。巻層雲があるときには必ず出現します。巻層雲は氷晶による雲。大気中にバラバラな向きで浮かんでいる六角柱の氷晶に光が当たって二つの面で屈折すると、人間の目からは、太陽の周りに光の輪があるように見えるのです。

 第8回目となるSweet Scienceシリーズは、そんな大気現象の下、雲愛高い研究者、荒木健太郎さんをお招きして開催されました。第1部は初心者向け「雲愛を深めるためのサイエンス」、第2部は中上級者向「南岸低気圧による首都圏の大雪研究」と二部構成。雲の写真に囲まれてサイエンスカフェをやりたい、という荒木さんのご要望にお応えして、雲の写真100余枚を展示。この日のために「雲っぽいスイーツ」も用意され、会場の渚小屋はその日限りのまさに雲空間となったのです。


命名、アンビルソフト!「アンビル」とは「かなとこ」のこと。積乱雲が発達して対流圏の一番上にたどり着いている証拠の形です。積乱雲は対流圏を超えて上には発達できないため横に広がり、まるで「かなとこ」のような形になるのです。荒木流に言えば「限界を感じちゃってる雲」

「雲は好きですか」という問いかけから第1部は始まりました。「優しい雲」「調子にのっちゃってる雲」「スタイリッシュな雲」など、まるで人物紹介のように様々な雲を紹介する荒木さん。こうした雲と仲良くなるには雲のサイエンス(科学知識)が必要なのだとおっしゃいます。科学の知識があれば、①雲に自分から会いに行けて(狙って現象に出会える・雲写真を撮れる)②雲の声が聞けるようになる(災害に備えることができる)というのです。これが充実した「雲ライフ」!


 関東地方に大雪を降らせた南岸低気圧のメカニズムを解説した第2部はぐっと専門的になりました。関東地方が大雪になるメカニズムは、数値実験(シミュレーション)や観測精度や頻度の向上、また雲物理の研究によって沢山の事柄が明らかになりました。ところが降雪の予測はまだまだ大変難しい。台風よりも予測が難しいとか。
 21世紀になった現在も、関東地方に大雪を降らせる雲の中で何が起きているのかを直接観察するには、飛行機を雲の中に飛ばすか、センサーを搭載した風船を飛ばす(ゾンデ観測)しかないのです。そこで荒木さんが着目したのが「天から送られた手紙」つまり雪の結晶というわけです。(手紙の送り先はこちら→関東雪結晶)
荒木さんが「天からの手紙(雪結晶)」収集を2016年11月23日から呼び掛けを初めて現在まで集まった画像はなんと5200枚以上。超高密度なデータ収集は、気象分野初。これが関東雪結晶のビッグデータ!
「雪は天から送られた手紙である」というのは、石川県加賀市出身の中谷宇吉郎が残した言葉です。雪結晶の美しさに魅せられ、雪の結晶の研究に生涯を捧げました。その結果、雪の結晶ができる条件は水蒸気の量と上空の気温の違いによることをあきらかにし、1936年、低温実験室で人工的に雪結晶を作ることに世界で初めて成功しました。このスライドにある文字は中谷博士直筆で、加賀市の中谷宇吉郎雪の科学館にて掛け軸として展示されています。

 「関東雪結晶」というテーマでデータ(画像)を収集するのは、第1部から通じる「雲ライフの充実」にほかなりません。言い換えれば、わたしたちの気象力の向上を目指しましょうということ。気象力が向上することこそ防災・減災を支える大きな力になるのです。
 防災・減災と言うと硬く深刻に構えてしまいますが、まずは雲や気象現象を眺めること、それを楽しむことがとても大事なのですね。
 ※充実した雲ライフの実践については当ブログのこちらのページもご覧ください。

雪結晶の分類表を活用しましょう。
イベント終了後、荒木さんがこんなことをおっしゃいました。聴講するだけ・読むだけでなく、知ったことを自分で言葉にしたり他人に伝達して初めて知識が身につくのだと。現象を楽しんで知識をインプットしたら、自分の言葉で構わないからアウトプットして、気象力を向上させて雲ライフをさらに充実させる。この話が最後にずしっと心に残り、大変勇気づけられた主催者でした。荒木さん、ありがとう!
沢山の質疑応答もあって大変盛り上がった「雲のおはなし」。気が付くと太陽が水平線に近づく時間でした。渚小屋のテラスから、荒木さんと眺めた雲。
本日のもんだい。お帰りの際は感想をこちらへ。正解は③でした。
「たまたま見つけたイベントでしたが、参加して正解でした。大変おもしろいお話でした。これから雲を見る目が変わりそうです。少し勉強してみたいと思います。」というご感想も。

 最後になりましたが、ご来場下さった皆様、ほんとうにほんとうにありがとうございました。皆さんがいらっしゃらなければ、実現しなかったイベントです。キャンセル待ちになってしまった皆様、ごめんなさい。
 また、イベント催行・運営にあたり、チラシの貼付けを手伝ってくださった方々、写真を提供してくださった方々、渚小屋、㈱東芝をはじめご支援・ご協力下さったすべての皆様に感謝申し上げます。誠にありがとうございました。

(おわり)

2016年12月20日火曜日

【報告】霧箱をつくろう!

Sweet Scienceぷち@ひさぎ
「霧箱をつくろう!」
2016年12月10日(土)開催

 「霧箱」は、一般の方にはなかなかなじみがないですが、科学館のワークショップや素粒子物理を研究する大学・研究施設の一般公開などでは、おなじみの実験装置。実験装置といっても、それが研究最前線で使われていたのは、もうずっと昔で、現在では、放射線教育の教材または科学館等の展示と位置付けられていると言った方が正しいでしょう。素粒子だなんて難しそうだし、放射線と聞くとどきどきしてしまうかもしれませんが、霧箱は案外簡単に作れて、私たちが暮らす地球の自然の姿を観察できる、面白い装置なんです。今回は、単純にそれを作って楽しんでみよう、という企画でした。
 冷たい風が吹く12月の土曜日、小学1年生から成人まで5組が参加してくださいました。当日の様子を、ざくっとご紹介~♪
久木会館の入口にチラシを貼ってお出迎えです
 最初に、霧箱の歴史やしくみ、そして注意事項についての15分ほどの解説を聞き、さっそく工作です。「目の前の見本と同じものを作ってね~」という必殺無責任解説!だって簡単なんだもーん!
タッパーの内側にスポンジテープを貼って~
スポンジにエタノールを染み込ませて、ラップで蓋をして準備おっけーい。
次に容器の底面を冷やすためのドライアイスを準備します。拡散式霧箱は、容器の中で温度差(温度勾配)を作ることが重要なのです。えーっと・・・砕く行為に妙に盛り上がる人々・・・わかります。
がんっ、がんっ
ふるいにかけて粉末に
さあ、いよいよ観察です!砕いたドライアイスを、空のタッパーに敷いて、その上にラップをしたタッパーを重ねて、ライトを当ててじっと待つのみ。線源なしで見えるかな?
じっと待つ、じっと待つのです!
ばんざーい!全員が線源なしで、飛跡を観察できました!α線は、だいたいが空気中のラドン由来。長ーいほっそーい線が見えたようでμ粒子かも?と喜ぶ中学生!わかるよ、その気持ち!

 線源を入れての観察も面白かったですね!今回はウランを含んだ砂岩(※1)を使いました。(動画をどぞ)
おお~、線源が入るとぐっと観察しやすくなりますよね。ウラン鉱石の他にも放射線を出す岩石は多くあります。墓石に使われることの多い花崗岩はその代表例。花崗岩がどうやってできたかも調べてみるといいかもしれません。

 おまけで、ガイガーカウンター(※2)が登場です。どんなときに使う装置かを聞いたり、『やさしお』(カリウム塩)に当ててみたり。線源のない場所でもボツボツ鳴っていて子供たちは興味深々。「カリウムはいろんな食べ物に含まれてるよ~」といったら、おなかに当てる子も!

 このイベントで見たり聞いた放射線の「姿」は、自然の姿のひとつです。わたしたちが地球に住んでいる限り受けるものなのです。放射線そのものの説明(核物理)はとおーっても難しい話なので今回は話せませんでした~。知りたくば高校物理と数学をしっかりお勉強しておきましょう!分かり始めるとすごく面白いですよ!また現在はリスクの問題を避けて通れない雰囲気がありますよね。リスクは、放射線に限らず、量がポイントだと中の人は認識しています。まずは、自然にはこういう姿もありますよと知っておくことからスタートするのもいいんじゃないかな~と思います。

 気が付いたら早2時間。ご参加の皆様、お疲れ様でした。そしてありがとうございました!感想やご質問があれば、ぜひお寄せ下さいね!
最後に周期表で吹き矢をして遊びました~ 祝・113番元素、ニホニウム命名!
最後になりましたが、開催資金、試料等のご支援、またイベント運営・開催にご協力いただいたすべての皆様に、この場をお借りして心より感謝申し上げます。誠にありがとうございました!

付録:『霧箱をつくろう!』解説パネルなど にて、当日説明で使用したパネルを掲載しています。ご興味があればどうぞご覧ください。

※1 使用した含ウラン砂岩について
産地は、岐阜県可児郡御嵩町。基盤岩の花崗岩に近く、基盤岩にわずかに含まれたウラン分が水に溶け、洗い流されてたまったところのものだそうです。ウラン資源にはとてもなりませんが、日本にはそういうウラン鉱床が多くあるそうです。人形峠鉱床も有名ですね。ブラックライト(紫外線)を当てて緑に光ったのは、燐灰ウラン石。 (試料協力:ねこのてぶくろ亭)

※2 ガイガーカウンターについて
ガイガーカウンターは、放射線の計測装置で、β線を非常に高い検出効率でとらえることができるものです。ただし、γ線やα線などを検出することは難しいかほとんど無理で、測定する環境中にどんな種類の放射線が飛び交っているかがわかっていることが前提で使用される機器です。また、測定方法が正しくなければ桁外れに間違った値が出ます。放射線のカウントには統計学等専門的な知識が必須だということを知っておきましょう。

2016年7月11日月曜日

【報告】ひさぎてくのろじー2016


ひさぎてくのろじー2016
「IchigoJamを組み立てよう!」
2016年7月2日(土)開催

カガクの粒ではこれまで、ちょっと大人向けの「Sweet Science」シリーズ(サイエンスカフェ)と、「ひさぎてくのろじー」(子供向けワークショップ)を展開してきました。「ひさぎてくのろじー」は自分たちの住む地域で科学技術を中心に様々な技術に触れる機会があったらいいな、そんな思いで始まったもの。もう、今回で3回目なんですね。驚いちゃいますね。
 今回は、いよいよ(中の人念願の)電子工作にチャレンジです!電子工作について、またプログラミングについて、この単発のイベントですべてを知るのは難しいことです。でもその始まりの始まりの・・・の始まりの始まりのうちの一つで遊ぶことはできるんじゃない?というわけです。
 そこで、IchigoJam(いちごじゃむ)の登場です。電子工作の基本であるはんだづけをじっくり堪能でき、おうちに帰ってからもプログラミングを楽しめる「こどもパソコン」。よーっし、これを組み立ててしまおう!
 7月に入ってまだ2日目でしたが、外は猛暑。エアコンがやんわり効いた狭い会場に、小学生と保護者4組、そして成人が1名集まりました。開始時刻まで、机の上に用意された資料を眺めながらお子さんに解説を始めるお父さん、閲覧用に用意された書籍を音読するお子さんの姿が。わー、オラ、なんだかワクワクしてきたぞー!


1.コンピュータってなあに?
 IchigoJamは、小さなコンピュータ。「じゃあ、コンピュータってなあに?」そんな問いかけからイベントはスタートしました。「?」となってしまった子供たちも、「おうちの中のどこにコンピュータがあるかな?」と問われると、元気よく答えてくれます。いざ聞かれるとどんなものか説明はできないけど、どこにでもある身近なもの、コンピュータ。ざくっと言うと、計算機なんですよね。計算したことある?と聞くと、1年生は足し算、3年生は分数を習っているとか。そうそう!そういうのそういうの!
 コンピュータは、機器として現代あらゆるものに搭載されていながら、構造や理論は大変奥が深くく、開発の歴史も大変面白いものです。数学の重要性や化学や工業との関係、さまざまな分野の科学や社会に与えた影響など、一歩足を踏み込んでみると、いくらでも語れるテーマ。「コンピュータってなあに?」それは現代に生きている私たちには、知っておきたい考えてみたい問いの一つなのではないかな。
 だがしかし!今日はそんなことをしていたら日が暮れてしまう!
・速く計算をする方法はものすんごく昔からあるんだよ~
・コンピュータが今のような形に近くなったのは、1940年代だよ~
と話はそのくらいにして、さあ工作!工作しましょう!
パワポ的な何か(手書きかよっ)※冒頭トーク用

2.組み立てる前に
 工作の前に、まず初めにはんだづけに必要な道具を3つ紹介しました。「はんだ」「はんだごて」「ニッパー」ですね。はんだは糊の役割。こては、すごーく熱くなる。「唐揚げ知ってる?」と聞くと1年生もニコニコ。そう、こてはね、唐揚げをじゅーっと揚げる油よりも熱くなるんだよ。だから、持つ場所や使い方はしっかり覚えましょう。こてはお箸を持つように。そして、上手につける順番は、
こて(をランドにつける)
↓
はんだ(をこて先につける)
↓
はんだ(を離す)
↓
こて(を離す)
だったよね。そして使い終わったらこて台に収納することが大切。まず電源の入っていない状態で練習してみよう!
電源なしで、練習ちう
 IchigoJamは、部品もいっぱいあります。ちょっとめんどくさいけど全部揃っているか確かめます。取り付ける際に向きがある部品もあるので、部品一覧用紙で要チェックです。慣れてきたら取り付け順はあまり気にしなくてもよいけれど、最初は取り付け推奨順に従って組み立てるのがいいよ。高さの低い部品から組み立てるとやりやすいんです。
これがこれで、これがあれで。
今回は、急遽お手伝いに来てくださった方がはんだづけの練習用に、基板とパーツ(抵抗)を用意してくださいました。これがあったお陰で、電源を入れて熱くなったこてで練習ができましたよっ。
ユニバーサル基板で練習ちう。保護者の方にお手伝いしてもらいながら。
参加したお子さんは、小学1年生と3年生ですが、みんな上手。すっごく上手。いいね、いいねえ!おっけーい!練習が済んだ子は、本体にチャレンジしてみよう!どんどん進めて、構わないよ!


3.黙々と、そして真剣に
一番初めの部品となるコンデンサを取り付けるときは慣れない手つき、一回一回緊張で深呼吸をしながらだった子供たちも(ドキドキは周りの大人の大人の方だったかも!?)、ICソケット(IC2)の取り付けですっかり慣れていくんですよね。USB電源部分(CN1)は特に細かく、老眼世代にはキビシイ部分なのですが、子供たちはきれいにつけていきます。黙々と、そして真剣に。君たち、プロか!
黙々
黙々
し~ん・・・(黙々と作業する子供たち)
ニッパーは小さな片手にはちと重い。あっ、針金部分を押さえないと危ない!
そうそう。うまいうまい。
やったー!はんだづけをする部分が全部おわったよー!
「できた~?」「まだ~、もう少し~」
多少の差はありましたが、参加者全員が自分の手で組み立てられました。やったー!
 開始してから組み立て完了まで約90分。説明や練習を含めると2時間です。ぶっ通しで休憩なしとは、こらすげえ・・・君たちの集中力は、どこから来るんだ・・・おばさんもおじさんも、もはや燃え尽きた・・・お疲れさま~(ばたり)

 と、言いたいところですが、いや、ちょっとまて!組み立てただけで安心してはいけないのだ!できても動かなきゃ話にならんぞ!そして、このイベントは「はんだづけ&初めてのプログラミング」だったはずですよ!


4.なかなかすごいことなんだ
 やり終えた後の満足感と解放感漂う子供たちを机に呼び寄せて、出来上がったIchigoJamに、キーボードとモニターと電源を接続し、スイッチを入れますよ。成功していれば、圧電サウンダーが「ピッ」と鳴いて、モニターに文字が映し出されるはず・・・

 IchigoJam「ピッ」
 中の人「おおーっ、ついた!」
 子供「・・・・・・(冷静に画面を眺める)」
 
 子供対象のイベントをやってみて、たまらんな、面白いなと思うのは、お子さんたちのこういうリアクションです。私たち大人は、自分たちが感動を誘導しなくても、「子供たちはきっとここで感動するだろう」と思っていたりします。電子工作どころか、はんだづけもニッパーを使うことすら初めての、しかも1年生と3年生が作ったものが一発で動作するって結構すごいことだと思っているわけです。どんなに疲れていても「やったぜー!」って喜ぶんじゃないかと期待したり。ところが、子供って自分の疲れに正直ですし、冷静に世界を眺めてるんですよね。そのフラットな先入観のなさから来る落ち着きには感心させられます。2時間休憩なしの作業は大人でも疲れるんです。
 というわけで、めでたく無事に参加者全員のIchigoJamが正常に動作し、簡単なコマンドを入力したところで、時間切れです。
 帰り際に、配布したプリントに掲載されているゲームプログラムをさくさくっと打ち込んだ保護者がおひとり、こうおっしゃっていました。「こんな画面を見せることができたら面白そうと思えるんだろうな・・・」 ああ同感です。イベントを保護者同伴にしてよかったと思える。ありがたいお言葉です。主催の甘えと言われたらそうかもしれませんが、やはり低年齢対象のイベント1回で、そこまで導くのは難しいです。無理に推し進めたら、嫌いになる可能性だってあるんです。いくつかプリントアウトしたものをお渡ししたのは、もしも興味がわいたらでおうちでもいろいろ遊んでほしいと思ったから。遊びは、面白いから遊びなんです。

 満足そうな顔で、会場を後にするお子さんたち。君たちが今日やったことは、なかなかすごいことだよ。自慢していいことだよ。今はわからないかもしれないけど、いつか分かるといいな。みんな、おめでとう!そしてお疲れ様でした!

アルファベットを打ち込みます
LEDコマンド発令中~ 光った~!
5.IchigoJamについて
 IchigoJamは、手頃な値段もさることながら、コンピュータとは何か、電子工作とは何か、また、プログラミングとは何かなどを語る際に、ひとつのきっかけとして、大変優れている教材なのではないかと思います。「いやいや、電子工作っていったらもっと基本からだよ」「プログラミング言語を教えるのにBASICはどうなの」などなど様々な意見があるかと思いますが、例えば、プログラミングを知らない保護者がちょっと試してみたいと思ったときに、組み立てからコマンド入力までが気軽に、手を伸ばせるエリアにあるというのは重要なことではないでしょうか。レゴやアイロンビーズ、そういう玩具と同じ感覚で手に入れられるわけです。
『こどもパソコン IchigoJam はじめてのでんし工作』
リックテレコム
はんだづけもしたことがないけれど、IchigoJamを組み立てたい方は、上記の本を一冊購入なさるとよいのではと思います(イベント当日3年生のお子さんが音読し始めたのはこの本です)が、ネット上でプログラムや教材が公開されていますのでそちらをどんどん利用してもよいでしょう。
 こどもパソコンIchigoJam のホームページ→こちら


6.感謝のきもち
 イベント開催に際しまして、様々な方にご支援・ご協力賜りました。

 まず、IchigoJam開発者の皆さまに。こんなイベントをやるんです、とお伝えしたら、「うれしいです」と即答いただきました。本イベントの進行は、この方々の動画やワークショップを参考にしました。機器の拡張や研究、福井県にて行っているプログラミング教室など、今後のご活躍を陰ながら応援させていただきます。

 つぎに、はんだごてやニッパー、こて台を、快くお貸し下さった久木中学校の職員の皆さまに。現在、中学の技術科では簡単な電子工作が行われています。中学校の技術家庭科は、かつては、男子生徒は技術科、女子生徒は家庭科に分かれていましたが、今はそんな区別もなくなりました。はんだづけをやるんです、と言ったら「おもしろそうですね」とおっしゃってくださいました。嬉しかったです。

 そして、会場設営や備品手配を手伝ってくれた方々に。電源アダプタが付属していなかったモニターに、自宅に転がっているアダプタをつなげる方法を伝授してくださった方、秋葉原などの様々な情報を提供してくださった方、会社でキーボードをかき集めてくれたり、ブラウン管テレビを提供してくださった方。安全に行う方法のアドバイスをくださった方、当日マイ工具等をご持参・お貸しくださった方。助かりました。動作確認といっても、IchigoJam本体だけあっても、だめなんですよね。

 また、プログラミングについてネットを通じてアドバイスをしてくださった方々に。正直申しまして、参加者の年齢層を確認した時点で、これは工作&動作確認で終わるなと思っていたのですが、もしも、さくさくできてしまったお子さんがいて先に進みたいと思った場合、主催者がそれに応えられないのはいかがなものか(当然アカン案件です!)と中の人は焦りつつぼちぼち勉強していました(土下座しつつ・・・すいません)。プログラミングは、打ち込んで動かして変化させて試して、の繰り返しで上達していくものでしょうし、それ以前に何を作ってみたいかも大切でしょう。言語はBASICだけ知っていればいいわけでもないようです。私のように理屈を理解しようとするとドツボにはまります(とても難しいが故に面白いです)。小学校教育に導入されることになるようですが、それってプログラミング教育といえるのかなぁ?などと思ってもしまいます。とにかく一筋縄ではいかないんですよね。これからも細々と勉強続けます~。

 最後に、お子さんに同伴してくださった保護者の皆さま、そして参加してくれた皆さまに。皆さんがいらして初めて成り立ったイベントです。

 この場をお借りして、心より御礼申し上げます。お子さんが誰一人ケガをせず、イベントを無事に終了できたことに安堵しています。ありがとうございました。
みんなが帰った後、ブラウン管テレビをモニターにして
もうすぐ夏休み。電子工作で検索すると、様々なイベントがヒットするでしょう。足を運んでみるのもいいですし、ご自宅で試してみるのもよいでしょう。たくさん遊べるといいなっ。
 さて、カガクの粒の次回イベントは、未定です。ちょっと長いお休みになっちゃうかもしれません。どうぞ、気長にお待ちくださいね!
(おわり)