~つぶつぶScientiaへようこそ!~

イチゴアイスの中に入っている小さな苺のつぶ、海辺で手のひらに残った砂つぶ、乾いた地面に落ちた最初の雨つぶ…小さいことだけど、ちょっと人生が楽しくなったり豊かになる。そんなScientia(スキエンティア)=知=のつぶつぶを探しに行こう。

2013年5月3日金曜日

ぞわっ、鳥肌の星空

2012年のある日、私は、北鎌倉たからの庭の「暦と月と日本酒の会」に参加しました。
おーー!ついに!ゆったり趣味の時を過ごす、念願のおしゃれな宙マダムの仲間入りをした!と思われた時、講師のプラネタリウムプランナーのかわいじゅんこさんが、プロジェクターにこの写真を投影してこう言った。
ハッブル・エクストリーム・ディープ・フィールド(XDF)
NASA, ESA, G. Illingworth, D. Magee, and P. Oesch (University of California Santa Cruz)
 R. Bouwens (Leiden University) and the HUDF 09 Team 
「これ全部、銀河なんですよ~。私はこれを最初に見たとき鳥肌が立ちました~(ニコッ←じゅんこ先生スマイル)。」

本当にすごい写真です。
なんてったってハッブル宇宙望遠鏡ですから。地上約600km上空で撮っている写真ですから。めちゃめちゃ小さいエリアを、10年間、200万秒という恐ろしく長い露光時間で2000枚撮影したんですから。そしたら、そのエリアの中に最も遠い(古い)と思われる銀河が見えちゃってるんですから。今まで見えなかった銀河が5500個も撮影されているんですから~。
し、しか~し、実はその時マシタは、かわいさんのおっしゃる「鳥肌」レベルまでは行っていなかった。ぞわっ、とはしていなかった。確かにスゴイ、しかし、なぜだ!?なぜ、ぞわっとできなかったのか!?
そして星のお話の後に出た日本酒と美味しいお料理で、マシタは全てを忘れ、その疑問は迷宮入りかと思われたある日、LiCaHOUSe(理科ハウス)のプラネタリウムの中で館長からこんな解説を聞いた。「ここに見えているのはほとんどが恒星です。」
はいはい、それで?知ってますよお!と得意げに鼻をならしたその時、私に何かが降りてきた!

・・・って、えっと、恒星って何だっけ?恒星って、太陽みたいな星だよね・・・・
ぎょえーーー!!全部太陽みたいなんですかーー!あれらはーーー!!!!←やっぱりマシタ頭悪い
皆さん、先ほどのハッブル宇宙望遠鏡の写真にぞわっとするポイントは、太陽です。銀河は太陽のような星がどえらいいっぱい集まっているのです!あなたの持つ太陽のイメージ、こんなのでしょうか。

アポロに扮したルイ14世(「太陽王」)
クロワゼのポーズっ。
こんなのでしょうか。

古代エジプトの太陽(夕陽)の神様、アテン神
(中央の王様は、アメンホテプ4世だよ。)

えっ、違う?じゃ、こんなのでしょうか。

太陽の内部で起きていると思われる核融合反応の図。

あ、難しい?じゃ、こんなのかな?

「太陽族」
 いや、どんなイメージでもいいのです。とにかく、星空には、太陽がすげえいっぱいあるんだって想像してみてください、皆さん!!ぞわっとするはずです!
太陽がいっぱい。
いや、こんなもんじゃないよ、ホントは。
しまった、マシタ、一生の不覚。なんとなく分かっているつもりだったが、実感がなかった。だって、夜、月や木星や火星、金星なんかはとっても明るく見えるから!それに国際宇宙ステーションから見ると地球は美しく青く光っているから!

そして押し寄せる衝撃の事実。ああ、なんということでしょう!あれは自分で光っているわけじゃないのね!私たちが夜空の星を見上げたとき、遠い星は、自分で光っているものが見えているわけなのね!そして逆に、もし遠い遠い宇宙に行ったら、私たちの地球なんて全然見えないのね!

確かに、地球はみえないかもしれないけど、私たちが地球みたいな星をみることはできるようです。地球上には、遠い遠い「太陽」はもちろんのこと、ちょっと遠い「太陽」の周りの「地球」を見ることにも命をかける人たちがいるのである。(ここから、BGM 中島みゆき)
それは、岡山、すばる望遠鏡の業績を引き継ぎ、ハワイのマウナケア山頂に巨大な30mの主鏡を持つ30m望遠鏡、つまり、TMTThirty Meter Telescope)(←ほかに、名前なかったんでしょうか・・・)で「きわめて野心的な目的で」観測をしようという人たちである!(平塚博物館 特別講演会『TMTで探る銀河の誕生』 講師 家 正則先生のお話を聞きました。)
TMTは2021年に完成を予定しています。これが、すごいんです。補償光学とか、赤方偏移17という数字とか、すごいキーワードはいろいろありますが、マシタがまずすごいと思うことはこんなこと。

すご1)ちっさい光が見える
もしも、月の上に蛍が一匹一時間休んでいたら、その光が撮影できちゃう。もし、アナタが月で携帯使って怪しいサイトを見ていたら、もうTMTにはばればれです。すごいですね。怖いですね。
だから、ちょっと遠い宇宙なら、どこかの「太陽」をまわっている地球みたいな太陽の光を反射している星も探せるんです。

すご2)鏡の材料
TMTの主鏡(光を集めるでっかい鏡)は、幅2mの六角形のガラスを492枚つなげて作られます。このガラスは超低膨張といって、スーパー耐熱ガラスというか、熱くても寒くてもまったくといっていいほど縮んだり膨れたりしないガラスなんです。(私のお肌は伸びきっちゃって、超低収縮ですけどね。悲しいですね。)492枚を一枚に見せる。あっちを削ってこっちを削って、つるつるなめらか~にするのは容易じゃありませんです。ドモホルンリンクルを使っても難しいでしょう。

すご3)鏡の動きを支える部品(アクチュエータ)
30mものおっきな鏡を、例えば「2ミリ左」に動かすのは大変です。お部屋の模様替えで家具を動かすとき、ご主人に「あと2ミリ左」なんて指示しますよね。花瓶くらいなら「2ミリ左」もできるかもしれないですが、3人がけのソファーやピアノだったら、ご主人「無理!」っていうでしょうね。
そんな感じ(のような感じ)のことをTMTのアクチュエータはやっちまうんですよ、奥さん。何百個ものセンサーが、重さをで見分けて制御しちまうんですよ。へっへ。

すご4)お高い
費用2000億円。Intelの社長が250M$を寄付。(お高いんざます。)下々の一般人からも絶賛寄付受付中ざます。(1000円から)⇒ http://tmt.mtk.nao.ac.jp/donation2-j.html

こんなすごいメカたちが、私たちにぞわっとする「太陽たち」の集合写真を撮ってみせてくれるんだな、と思うとぞわっとします。また、夜空の真っ暗と思われる部分におそろしい数の「太陽たち」がいるなんて、本当にぞわっとしますね。TMTの完成が待ち遠しいですね。

星空を眺める―なんだか情緒があって癒される時間。お酒があったらなお最高。その時に、専門家の方のお話を聞いて、ちょっとだけ見えないところを想像して夜空を見上げてぞわっ、と鳥肌体験。そんな星空観測はいいなあ思うんですよ~。(おわり)

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