~つぶつぶScientiaへようこそ!~

イチゴアイスの中に入っている小さな苺のつぶ、海辺で手のひらに残った砂つぶ、乾いた地面に落ちた最初の雨つぶ…小さいことだけど、ちょっと人生が楽しくなったり豊かになる。そんなつぶつぶを探しに行こう。

2014年12月20日土曜日

イベントのご案内 2015年2月

本イベントは終了いたしました。ご来場くださった皆様、誠にありがとうございました。当日の様子は簡単にこちらに掲載しております。ぜひご覧ください。

Sweet Science vol.5 @渚小屋
神経細胞の森を歩く
~脳神経細胞のおはなし~

開催のご案内
2015年2月22日(日)
黒門カフェ渚小屋(神奈川県逗子市新宿1-4-7 黒門駐車場内)
主催:カガクの粒


フライヤーはこちらでもご覧いただけます
脳にまつわる研究はおそろしく多岐にわたりますが、今回のSweet Scienceでは脳の中の神経細胞のお話をお届けします。神経細胞はどんな姿をしているのでしょうか。研究者はどんな風にそれを観察しているのでしょうか。脳科学研究の最先端である理研BSIで日々研究にいそしむ田尾賢太郎さんをお迎えして、一般向けにお話をしていただきます。

神経細胞が中学の理科でちらりと出てきたことをすっかり忘れている、そこのあなた。
高校の生物を選択したけど神経細胞などすっかり忘れたあなた。
なんだかわからないけど面白そう!というあなた。
はい、そんなあなた、ぜひどうぞ!

「脳の神経細胞といえば、2014年のノーベル生理学・医学賞を受賞した研究テーマを思い出すな、動物の空間把握のメカニズム研究に多大な貢献をしたとしてオキーフ(John M O'Keefe)博士と、モーザー博士夫妻(May-Britt Moser, Edvard I. Moser)に賞が授与されたのですよね(関連記事:日経サイエンスはこちら 日本科学未来館はこちら)、はっはっは」というそこのあなた。
そんなあなたもぜひどうぞ!

動物の脳の中に広がるまるで森のような、不思議な神経細胞の世界。渚小屋のスイーツ天国と共にお楽しみ下さい!詳細は以下の通りです。

【日時】
2015年2月22日(日)14:00~

【会場】
黒門カフェ渚小屋 (神奈川県逗子市新宿1-4-7 黒門駐車場内)
JR横須賀線・逗子駅または京浜急行・新逗子駅より 徒歩約15分
駐車場(300円/h)有

【講師】
田尾賢太郎さん
1985年、徳島県生まれ。2008年、東京大学薬学部卒業。2013年、東京大学大学院薬学系研究科博士課程修了。薬剤師、博士(薬学)。2010年から2013年まで日本学術振興会特別研究員(DC1)、2013年より独立行政法人理化学研究所脳科学総合研究センター(BSI)研究員。在学中の主なテーマは神経細胞の活動依存的な形態形成。現在は脳におけるドパミンの機能について研究している。


【対象】
成人~中学生(先着15名)

【参加費】
おひとり 3,000円(ワンドリンク・スイーツ付)

【お申込み方法】
①お名前 ②参加人数(学年) ③連絡先電話番号 ④田尾賢太郎さんに聞いてみたいこと・いま疑問に思っていること等 を必ず明記の上、下記アドレスまでメールでお申込み下さい。
kagakunotsubuあっとgmailどっとcom (あっと→@、どっと→. に変えてください。)

【お問合せ】
上記メールまたは、☎ 090-5321-5660 (マシタ)へどうぞ。
カガクの粒のTwitter(@kagakunotsubu) および Facebookページ に最新情報を掲載いたします。
渚小屋のスイーツ天国
皆様のお申し込みを心よりお待ちしております!
(以上)

2014年12月7日日曜日

【報告】Sweet Science 何をいまさら!?放射線のはなし

Sweet Science vol.4 『何をいまさら!?放射線のはなし』
2014年12月6日(土) @黒門カフェ 渚小屋
ゲスト:菊池誠さん(大阪大学CMC教授)
終了いたしました!ご参加の皆様、ご来場誠にありがとうございました!

2011年3月の福島第一原子力発電所の事故から3年と9か月。長いようでもあり、短いようでもあり。たくさんの方が多くを語り、多くを勉強した期間であったことは間違いないでしょう。そんな中、「えっと、放射線てなんだっけ?この事故ってどういう事故だったの?」いまだにそんなところをうろうろしている、そんなあなた!はい、そんなあなた(わたし)にお届けするまさに、何をいまさらな企画。『いちから聞きたい放射線のほんとう』の著者のおひとりである菊池誠さんをお呼びして、お話を聞いてしまおうというわけです。え?ほんとに来るの?ほんとに来たの?
ええ!来ましたとも!
(photo by 渚小屋店主)
というわけで、極簡単な報告です。
『いちから聞きたい放射線のほんとう』
(筑摩書房2014 菊池誠×小峰公子×おかざき真里)
逗子海岸。日差しあたたか。
(写真 しゅうさんより)
会場の渚小屋外観。良い天気。
(写真 しゅうさんより)
菊池先生のお話は、なぜ本を書いたか、そして、疑う余地のない完全にはっきりしている物理学の話からスタートしました。さらに生物に対する影響の部分について分かっているお話。『いちから聞きたい放射線のほんとう』ライブ(ダイジェスト)とはまさにこのこと。
海辺で聞く理科のお話。みんなついてこーい!
先生自作のガイガーカウンター。これをスピーカーにつなげます。放射線を拾うたびに、ぼつっ・・・ぼつっと音がします。
やさしおを前におくと、ぼつぼつ・・・ぼつっ。
休憩時間を含め、参加者の方からたくさんの質問が出ました。たとえばこんな質問。
あなたなら、どんなふうに答えますか?

「ベクレルっていうのは、モル数と同じかと思っていましたが・・・」
「放射性物質は放射能を持たない同位体と同じふるまいをするのですか」

「福島のお米のベルトコンベアみたいに流して検査しているものは、ガイガーカウンターと同じようなものですか。(食品を)つぶして測るものはどうですか」
「あおりたい方が正しくない測り方をしていることはありますか」

「放射線は、アルファ、ベータ、ガンマの三つしかないんですか」
「ガンの治療で使う放射線はどういうものですか」
「壊れやすいバチバチと出すものを薬として与えるということ(放射線治療について)は、出来立てほやほやのものをあげないと結構壊れちゃってるんじゃないですか」

「ヨウ素は悪者ですか。また事故当時、保健室にヨウ素を蓄えろといった話がありましたが」

「解剖した海洋生物の肉の放射線を測るのに、できれば現場(海岸)である程度の線量の見切りをつけたいが、いい方法はありますか」

「企画者がどうしてこういうことをやろうと思ったのか」

「いわゆる低線量被曝って目に見えるリスクの増加はないという認識で間違っていないでしょうか?」

「人為的に東電の事故で出た放射線と自然の放射線は、ふるまいとしては同じだけど、人為的に作られたものの人間の体への影響は自然のものとは全然違う(そちらのほうが体内に長くとどまる)というお話をされる方がいますが」

「こどもの方が大人よりも放射線の影響は重大ですか」

お話の途中で逗子海岸に夕陽に沈みます。

「あの(汚染水の)タンクがすべてぶっ壊れて流されたとしてどういうことになるか予測つきますか」
「あそこ(福島第一原子力発電所の原子炉)はどうなっちゃってるんでしょうか」

「これからの原発の廃棄物の処理について科学的に新しい研究などはありますか」

「地層処分はすっかりに耳にしなくなりましたが」
「オンカラはやりすぎですか」

「広島長崎は人が住める、チェルノブイリと規模が違うのは空中爆発だからでしょうか」
「福島の場合は降下物の量は広島長崎の何倍ですか」

「ウランはどういう仕組みで崩壊するんでしょうか」

「原爆と原発を比べて考えてしまうのですが」

今回のイベントでもまた渚小屋のスイーツを楽しんで頂きました。
スイーツの楽園
このスイーツバイキング。楽園といわずしてなんという。
今日は出血大サービス。サラダもあるよー!!!
今回はトークが始まる前に霧箱を展示しました。線源なしのもの、マントル入りのもの、ウラン鉱入りのものの三つを用意しました。ウラン鉱は、9月にお世話になった結晶美術館のだぶさんにお借りしました。結晶美術館ウランのページもご覧ください。
ウラン鉱の入った簡易霧箱
白い線がアルファ線の飛跡です。写真ではこの面白さはちょっと伝わらないなあ。

書籍も数点展示しました。
みなさんお手に取ってご覧になっていらっしゃいました。
最後に今日のつぶやきをアンケート回収ボックスに入れていただきます。本日の質問は1マイクロシーベルトは何シーベルトですかというもの。正解は③ですた!!

いかがでしょう?少しは様子がわかりましたか?
よくわからないわ、という方、はい、『いちから聞きたい放射線のほんとう』を読みましょう。その状態がこの逗子海岸前の小さなカフェで行われました。世の中にくだらない質問などないとおっしゃる菊池誠先生。どんな質問にも丁寧にじっくり対応してくださいました。
このようなイベントができて胸がいっぱい、スイーツでお腹もいっぱい。といった所でお開きでございます。終わってしまうとさびしいものです。今度きくまこ先生に会えるのはいつかなあ・・・。
菊池先生、ご来場の皆様、スタッフの皆様、ほんとうにどうもありがとうございました!

【予告】
次回のSweet Scienceは2月22日(日)『神経細胞の森を歩く~脳神経のおはなし~』ゲストは田尾賢太郎さん((独)理化学研究所BSI 研究員)です。お楽しみに。
(おわり)