~つぶつぶScientiaへようこそ!~

イチゴアイスの中に入っている小さな苺のつぶ、海辺で手のひらに残った砂つぶ、乾いた地面に落ちた最初の雨つぶ…小さいことだけど、ちょっと人生が楽しくなったり豊かになる。そんなつぶつぶを探しに行こう。

2014年12月7日日曜日

【報告】Sweet Science 何をいまさら!?放射線のはなし

Sweet Science vol.4 『何をいまさら!?放射線のはなし』
2014年12月6日(土) @黒門カフェ 渚小屋
ゲスト:菊池誠さん(大阪大学CMC教授)
終了いたしました!ご参加の皆様、ご来場誠にありがとうございました!

2011年3月の福島第一原子力発電所の事故から3年と9か月。長いようでもあり、短いようでもあり。たくさんの方が多くを語り、多くを勉強した期間であったことは間違いないでしょう。そんな中、「えっと、放射線てなんだっけ?この事故ってどういう事故だったの?」いまだにそんなところをうろうろしている、そんなあなた!はい、そんなあなた(わたし)にお届けするまさに、何をいまさらな企画。『いちから聞きたい放射線のほんとう』の著者のおひとりである菊池誠さんをお呼びして、お話を聞いてしまおうというわけです。え?ほんとに来るの?ほんとに来たの?
ええ!来ましたとも!
(photo by 渚小屋店主)
というわけで、極簡単な報告です。
『いちから聞きたい放射線のほんとう』
(筑摩書房2014 菊池誠×小峰公子×おかざき真里)
逗子海岸。日差しあたたか。
(写真 しゅうさんより)
会場の渚小屋外観。良い天気。
(写真 しゅうさんより)
菊池先生のお話は、なぜ本を書いたか、そして、疑う余地のない完全にはっきりしている物理学の話からスタートしました。さらに生物に対する影響の部分について分かっているお話。『いちから聞きたい放射線のほんとう』ライブ(ダイジェスト)とはまさにこのこと。
海辺で聞く理科のお話。みんなついてこーい!
先生自作のガイガーカウンター。これをスピーカーにつなげます。放射線を拾うたびに、ぼつっ・・・ぼつっと音がします。
やさしおを前におくと、ぼつぼつ・・・ぼつっ。
休憩時間を含め、参加者の方からたくさんの質問が出ました。たとえばこんな質問。
あなたなら、どんなふうに答えますか?

「ベクレルっていうのは、モル数と同じかと思っていましたが・・・」
「放射性物質は放射能を持たない同位体と同じふるまいをするのですか」

「福島のお米のベルトコンベアみたいに流して検査しているものは、ガイガーカウンターと同じようなものですか。(食品を)つぶして測るものはどうですか」
「あおりたい方が正しくない測り方をしていることはありますか」

「放射線は、アルファ、ベータ、ガンマの三つしかないんですか」
「ガンの治療で使う放射線はどういうものですか」
「壊れやすいバチバチと出すものを薬として与えるということ(放射線治療について)は、出来立てほやほやのものをあげないと結構壊れちゃってるんじゃないですか」

「ヨウ素は悪者ですか。また事故当時、保健室にヨウ素を蓄えろといった話がありましたが」

「解剖した海洋生物の肉の放射線を測るのに、できれば現場(海岸)である程度の線量の見切りをつけたいが、いい方法はありますか」

「企画者がどうしてこういうことをやろうと思ったのか」

「いわゆる低線量被曝って目に見えるリスクの増加はないという認識で間違っていないでしょうか?」

「人為的に東電の事故で出た放射線と自然の放射線は、ふるまいとしては同じだけど、人為的に作られたものの人間の体への影響は自然のものとは全然違う(そちらのほうが体内に長くとどまる)というお話をされる方がいますが」

「こどもの方が大人よりも放射線の影響は重大ですか」

お話の途中で逗子海岸に夕陽に沈みます。

「あの(汚染水の)タンクがすべてぶっ壊れて流されたとしてどういうことになるか予測つきますか」
「あそこ(福島第一原子力発電所の原子炉)はどうなっちゃってるんでしょうか」

「これからの原発の廃棄物の処理について科学的に新しい研究などはありますか」

「地層処分はすっかりに耳にしなくなりましたが」
「オンカラはやりすぎですか」

「広島長崎は人が住める、チェルノブイリと規模が違うのは空中爆発だからでしょうか」
「福島の場合は降下物の量は広島長崎の何倍ですか」

「ウランはどういう仕組みで崩壊するんでしょうか」

「原爆と原発を比べて考えてしまうのですが」

今回のイベントでもまた渚小屋のスイーツを楽しんで頂きました。
スイーツの楽園
このスイーツバイキング。楽園といわずしてなんという。
今日は出血大サービス。サラダもあるよー!!!
今回はトークが始まる前に霧箱を展示しました。線源なしのもの、マントル入りのもの、ウラン鉱入りのものの三つを用意しました。ウラン鉱は、9月にお世話になった結晶美術館のだぶさんにお借りしました。結晶美術館ウランのページもご覧ください。
ウラン鉱の入った簡易霧箱
白い線がアルファ線の飛跡です。写真ではこの面白さはちょっと伝わらないなあ。

書籍も数点展示しました。
みなさんお手に取ってご覧になっていらっしゃいました。
最後に今日のつぶやきをアンケート回収ボックスに入れていただきます。本日の質問は1マイクロシーベルトは何シーベルトですかというもの。正解は③ですた!!

いかがでしょう?少しは様子がわかりましたか?
よくわからないわ、という方、はい、『いちから聞きたい放射線のほんとう』を読みましょう。その状態がこの逗子海岸前の小さなカフェで行われました。世の中にくだらない質問などないとおっしゃる菊池誠先生。どんな質問にも丁寧にじっくり対応してくださいました。
このようなイベントができて胸がいっぱい、スイーツでお腹もいっぱい。といった所でお開きでございます。終わってしまうとさびしいものです。今度きくまこ先生に会えるのはいつかなあ・・・。
菊池先生、ご来場の皆様、スタッフの皆様、ほんとうにどうもありがとうございました!

【予告】
次回のSweet Scienceは2月22日(日)『神経細胞の森を歩く~脳神経のおはなし~』ゲストは田尾賢太郎さん((独)理化学研究所BSI 研究員)です。お楽しみに。
(おわり)

0 件のコメント:

コメントを投稿