~つぶつぶScientiaへようこそ!~

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2013年5月25日土曜日

ニュートンにまつわる数冊

突然ですが、ニュートンはとっても偉大です。偉大だっていったら、偉大なんです。
私が今回読んだ本からはどれも、それをビシビシ感じるからです。(なんだ、その根拠・・・)その気持ちが、最初から最後までぶれてないと思われたのはこの本。
『人類の知的遺産37 ニュートン』
萩原明男 著
(昭和57年 講談社)(ISBN4-06-145337-8)
この本は、文章にあんまり古臭い印象はないのですが、昭和時代に出版された本で、文体、内容的にも読むなら高校生からでしょうか。ちょい難しい。でも年表、参考文献が載っていて、一般の人が、時代背景からニュートンに関わる人たち、ニュートンの思想までざくっとアウトラインを知ることができるです、はい。
平成の世になってニュートン研究が進んで、実はこの記述間違ってますよ、ということもあるのかもしれません。もし、ここは大きく異なっているという点をご存知の方がいらっしゃったら、教えていただければ幸いです。

でもね、この本がすげえ!と思えたのはね、まず、この本の著者、萩原さんがニュートンをたった一人で研究し始めた当時の日本の様子、萩原さんの学生時代の原体験でっす。これは鳥肌もんですよ~。戦後の混乱期に「プリンキピア」を手にしたとか、友人の死を見下ろす下りは、ぞくっ!としました。こりゃあ、一生真似できない体験だ。一般人のあっしとしては、ここだけ読むだけで本当は十分です・・・(※1)

この本の中では、ニュートンについてケインズという人の言葉を補って、こんなふうに書かれておりました。

「完成者としては最初の科学者であり、そして開拓者としては最後の魔術師だったというべきであろう」 (※2) 

自然科学のうちある学問分野においては、その理論や方法が現代まで生きる「完成者」である一方で、いくつかの分野においては、矛盾だらけの「錬金術師を思わせる」人だったということですが。ふーん・・・

って、あーた!分かる?これ?ぶっちゃけ、私は、「はぁ!?」って思っちゃうんですけどお。
「はぁ!?なんですか、それ?」です。
イメージでいうと、「裁判官だけどAKB48の追っかけやってます」みたいな印象なんですけどお。(個人の妄想です。また、実際にいらしたらごめんなさい。単なる私の偏見です。)
ニュートンが研究していたことを読んでいくと、ドンピシャな表現だとわかるのですが、アタシには現実感がないです。17世紀ヨーロッパって難しいし、AKBファンもいろいろじゃん?(だから、妄想です)
でもさ、もし目の前に本人が現れて、「僕はいろいろ頑張ってやっているんです!」と言われたら、思わず「ふーん、すごいですね~。頑張ってるんですね~。どーぞ、秋葉原までお気をつけて~」って応援したくなるんじゃないかな。一気に身近になるというか・・・乱暴ですが、そのような説得力を持つのがこの本。
「天才!?科学者シリーズ7 ニュートン ~宇宙の法則を見つけた男~」
ルカ・ノヴェッリ 著 関口英子 訳  日本語版監修 滝川洋二
(2009 岩崎書店)(ISBN 978-4-265-04677-5)
original tilte: NEWTON E LA FORMULA DELL'ANTIGRAVITA
この本は、「まるでニュートン自身が話すかのように」語っているからです。そして、子ども向けの本だけど、17世紀イギリスの時代背景を語っているところや、索引があるのが、エライ!と思う。さっきの萩原さんの本ではまだ、「錬金術師を思わせる」という控えめな表現が使われていたのに対して、「中世最後の錬金術師」でもあったと言い切っているのが、新時代の本という感じです。
まあとにかく、ニュートンは、複雑な時代の中でいろんなことを精一杯頑張ってたんだな~と普通に思えてしまう。「大体の様子がわかればいい」という大人は、これで十分だと思うな。

「難しい本は嫌だけど、もうちょっと詳しく知りたいな」という文系のアナタには、こちらを、ぜひ。
『数学をきずいた人々』 村田 全 著
(2008新装版 さ・え・ら書房)
(ISBN 978-4-378-01831-7)(※1976年初刊行)
こ、こらー、チョット待てー!!タイトル見ただけで逃げるなあ!!大丈夫、落ち着いて、落ち着いて。数式が分からなくても読めるから、これは!
ユークリッド幾何学とデカルトがニュートンを知る上では必須アイテムで、また、小中高でやった算数・数学の問題は、とっても歴史のある深い伝統だったんだ!って驚いちゃうんだから。それにさっきの萩原さんもこう言ってます。

「・・・ニュートンの思考をささえたのが、自然の記述を重視する数学的方法だったことをいまはっきりと理解しなければならないであろう。」 (※3)

あーあ。もうちょっと、数学の計算や思考の訓練をしとけばよかった。
デパートのクリアランスセールで、「あー!さっき見たワンピース、やっぱり買っておけばよかった~!もう、ない!(泣)」的な喪失感。(がっくり)
そうなのです。センスのいいものは、早めにゲットしておかなければなりません。数学は、「ニュートン・デパート」の中の超センスいいショップみたいなもんです。そこのアイテムは人生の早いうちに即買いですよ、お嬢さん!

いや・・・あの、数学的センスゼロで人生も後半戦に突入してしまった・・・というプレお年寄りの皆さん。大丈夫、最初の萩原さんの本にこんな言葉があります。長いけど、ちょっと載せちゃう。

「ニュートンがその生涯を通して自然にたいしたのは、自然の運動、物体のはたらきは、「いかにして」おこなわれるかであった。そしてそれが「何」であるか、それとも「なぜ」おこなわれうるか、そう問うことは、あくまでも押さえることであった。」
「ニュートンにとって、事実とその数量関係のみが重要であるということは、光が「いかに」あるかということであり、「何」であるかということではない。ということは確実に「いかに」あるかを知ることが大切であることは、それが「何」であるかを問わないことであろう。」(※3)

この部分は素人でもちょっとだけ真似できるかなと思うです。
たとえば、「光とは何だろう」と疑問に思ったときに、すぐに「光とは○○である」という定義に向かっていっちまうんじゃなくってさ、自分の最大の能力でいいから、「光」はこんな動きをするんだよ、こんな現象があるんだよと観察していくこと。これが、基礎知識に欠けるアタイのような人がとるべき、「光」というものへの最も誠実な向き合い方かもしれないなあって思うんです。ニュートンの一万分の一、一億分の一・・・かもしれませんが。(若干、自分へのなぐさめ)だって、数学のツールがなければ、本当には理解できないんだからさ。
 
さあ、プレお年寄りの皆さん!共にニュートンが観察した光の現象を観察して楽しみましょう。人間、最後まであきらめないのが大事よぉ。介護ヘルパーさんと理科の実験、そんな老後があったっていいではありませんか!(←危険ですので、かならず理科に詳しい人と一緒にやってください。)

チョット前になりますが、『季刊 理科の探検2013春号』の特集記事はいろんな人が光と色にまつわるいろんな現象と実験について書いています。その中でも虹のお話がすごいよ!!虹って、いろいろあるんだよ!虹の写真、よく撮ったな~、すごいな~って思います。

それから、タイトル通り、まじでびっくりするのはこれ!
『びっくり、ふしぎ 写真で科学② 見えない光を見る』 
(ガリレオ工房 編 伊知地国夫 写真 滝沢美絵 文)
(2003 大月書店)(ISBN 4-272-40432-6)
ひゃー!!写真がすごいぞ!!ニュートンが見たら喜ぶだろうな。写真は幼稚園から楽しめると思う!(が、実は内容や文章は大変難しいのさ。親子で読んでちょ。)
おチビちゃんが自分で読むなら、これもステキだよ。
『ひらいてみよう!かがくのとびら② 光のふしぎ』 
キム・テイラーさく 山下恵子 やく
(1997 岩崎書店)(ISBN 4-265-05942-2)
写真はさっきのやつと比べるとインパクトに欠けるけど、言葉がやさしいからやさしく感じるよ。光や色って不思議だな、って素直に思う。この本にはニュートンについては一言しかふれていないんだけどね。
プリズムから出てくる七色の光、見たことある?あれってさ、実はプリズムに当たった太陽光線のごくわずかな部分なんだよね。この本に、太陽光線が「プリズムの内側でほとんど反射され」て外にはねかえっているって書いてあって、面白かった。プリズムを通って七色になれる光って、難関の司法試験に合格した弁護士さん、とか、そんな感じだな(笑)

ニュートンも、選ばれた七色の光の一つだったのかもね~。

ほかにも、ニュートンの偉大さに触れられるものはたくさんあります。もっと新しくていい本もいっぱいあるでしょう。それを探しに行くだけでもなかなか大変なことです。一生かかってしまうかもしれない。
はい、私はぼちぼち探します。なので、今日はここでおしまい。またしても中途半端でしたね。はい・・・。では。

※1  『人類の知的遺産37 ニュートン』 Ⅰ-1 ニュートンとわたし
※2  (同上) Ⅰ-22 ニュートンと死
※3  (同上) Ⅰ-14 ニュートンと光学論争 「ニュートンの数学的方法とは」p.91-92




2013年5月23日木曜日

ニュートンにまつわる愚かな妄想

ニュートンにまつわるアタクシの愚かな妄想のお話。

アタクシがすっかりおばさんになったある日、「ニュートン」という名前が聞こえてまいりました。それを聞いてアタクシが思い出したのは・・・

サー=アイザック=ニュートン (Sir Isaac Newton)という称号つきの名前
でもなく、
ロンゲの肖像画
でもなく、
ニュートンさん。ロンゲです。
1642年12月25日(1643年1月4日)というお誕生日
でもなく、
よく言われる「ニュートンの三大発見」~「微分積分学のという新しい数学をつくったこと」「万有引力を発見したこと」「光学、特に色の理論や反射望遠鏡の研究」(※1)
でもなく、
りんごが落ちるのをみて万有引力の法則を想起した・・・というエピソードでございました。
有名なエピソードですね、超有名です。ところが、子どものときは全く疑問に思わなかったのですが、悪い癖で、ちょっとした疑問(妄想)が出てまいりました。

平日昼間っから、りんごの木の下でぼーっと考え事⇒仕事してないのか?

ニュートンは、なぜそんなにボーっとしていられたのでしょうか?一体何をしてお給料をもらっていたのでしょうか?それとも超セレブだったのでしょうか?一体、世の中はどうなっているんでしょうか!?
そもそも「平日昼間っから」とか「ボーっと考え事」というシチュエーション設定が、いかに無知かを物語っています。こういう大人になってはいけません。そこで、いくつか本を読んでみることにいたしました。
 1)『人類の知的遺産37 ニュートン』
  萩原明男 著(昭和57年 講談社)
  (ISBN4-06-145337-8)
 2)『天才!?科学者シリーズ7 ニュートン ~宇宙の法則を見つけた男~』 
  ルカ・ノヴェッリ 著 
  関口英子 訳  日本語版監修 滝川洋二 
  (2009 岩崎書店)
  (ISBN 978-4-265-04677-5)
 3)『数学をきずいた人々』
  村田 全 著
  (2008新装版 さ・え・ら書房)(1976年初刊行)
  (ISBN 978-4-378-01831-7) 

すると、りんごのエピソード、あるいは、万有引力の法則の着想があったのは、1666年頃、ニュートンが学士を取得してから「特別研究生待遇」を受けるまでの間に起きたことだろうと書かれておりました。その頃ロンドン市内でペストが大流行して大学が閉鎖されて、ニュートンはふるさとに戻っていたそうでございます。つまり、学校閉鎖で実家に帰った学生さん、ということでしょうか?現代の日本の大学生と17世紀のイギリスの大学生は、だいぶ立場や状況が違うのかもしれませんが、もしそういうことであるならば、納得でございます。それならば時間がありそうです。
とはいえ、まさか学生時代に大発見をしたとは思わなかったのでございます。アタクシは、初電の山手線を爆睡して二周してた年齢でございました。これは驚きでございました。

その後、ニュートンは大学教授になったそうでございます。ふむふむ。きちんと研究をして知的貢献をしてお給料をもらっていたということなのですね?そして、着想をまとめた論文が、『プリンキピア~自然哲学の数学的原理~』という本で、出版されたのは、1687年の夏なのだとか・・・

いけません。これを聞いて、また悪い癖が出てきてしまいました。またしても妄想です。そんなことよりも、『プリンキピア』という書物がどれほど偉大な書物か、万有引力とは何かなどを調べたほうが有益だったのです。こういう大人になってはいけません。そこで、ワタクシは、怪しげなテンの声に叩きのめされることになるのです。

(以下、対話)
愚かな主婦: 20年だなんて、長いわ~。

テンの声: こらこら、愚か者よ。その20年間にニュートンにどんな闘いがあったかはどの本にも書かれておる。

愚かな主婦: ・・・(汗)(←実は、飛ばし読みした)

テンの声: わかればよろしい。丁寧にお読みなさい。そして、3)の本の筆者がこんな言葉を言っておる。抜き出すからお読みなさい。そして、猛省なさい。

「どんな難問でも、解けるとわかっておれば、やりようもあります。解けるか解けないかもわからなくて、へたにそれに顔をつっこむと、一生を棒にふるかもしれない。そういう「問題」の研究こそ、学問というもののおもしろさがあり、それとともにそのおそろしさもあるように思えます。そしていうまでもなく、ニュートンとその競争あいてがいどんでいた問題は、こういうタイプのものだったということを、おぼえておいてください。」 (※2)

愚かな主婦: ま!!解けるかどうか分からない世界なんて怖い!怖すぎるざます。これが学問の世界なのですね~。
でもぉ・・・子育てとか会社勤めでも、シビアなこといっぱいあるざます。責任を感じて怖くなることもあるし、競争あいてもたくさんいるざます。実母とか上司とか姑とか小姑とか同僚とか後輩とか近所のおばちゃまとか他の会社Aとか・・・。必死に、自分の子育てや営業理念で悩むことも多いですわ。すでにある意味で一生を棒にふっちゃってるかもしれないし、これだって、そういうタイプの「問題」といえないのかしら~?

テンの声: まだわからぬのか、愚か者よ。では、3)の本からさらにこんな言葉を投げてさしあげましょう。あなたにこれができるというのですか!?さあ、猛省なさい!

ニュートンとは「法則を実際に打ち立ててみせるという仕事をほんとうに実行し、宇宙にはこのような法則があるのだぞということを、議論でなく、事実によって、後のあらゆる科学者にしめしてくれた最初の人」 (※3)
「新しい道をひらくことは、もの知りになるのとは一段と質のちがった仕事なのです」 (※4)

愚かな主婦: ははーっ。20年間、シミを増やしただけのアタクシとが質が違うのですね。考える時間が20年あっても、400年後まで通じる新しい法則を打ち立てることなど、ましてやそれを皆が納得する方法で説明することなど、アタクシにはできませんわ。日々、手抜き料理をして、コンビニスイーツに一喜一憂してるだけざます!ごみんなさーい!
(対話おわり)
というわけで、なんだかさっぱり分からなくなってしまったかもしれませんが、「ニュートンは仕事をしていない」、「20年は長い」というアタクシの妄想は、とんでもない不謹慎な妄想だということを自覚したのでございます。そして、ニュートンが、お気楽な主婦にはない、めっちゃ厳しい命がけの姿勢で科学に向き合っていたことを知ったのでございます。
ここでは3)の本からの言葉しか抜き出していませんが、ニュートンが偉大であるということは、上の3冊のどれを読んでもビシビシ感じられるのでございました。それぞれに、感慨深い箇所があったので、また次回お話いたします。(つづく)(←えっ!続くの!)

※1『数学をきずいた人々』、「ニュートン」 ペスト休みのあいだに P.158
※2『数学をきずいた人々』、「ニュートン」 三大発見(2)-万有引力と光学 P.169
※3『数学をきずいた人々』、「ニュートン」 ニュートンのリンゴと、コロンブスのたまご P.130
※4『数学をきずいた人々』、「ニュートン」 『原論』を読む P.147

2013年5月17日金曜日

困惑。赤く偏る光?

(「TMTで探る銀河の誕生」を聞いて、続き)

世の中には、いろんなものを探している人がいます。皆さんは何を探していますか?
新しいランチのお店?理想の彼氏?嵐グッズ?老眼鏡?(おじいさん、頭の上ですよ。)オムレツ用の卵液のなかに落とした卵の殻のかけら?(これは絶対に腹が立つから見つけたい)

いろいろありますが、国立天文台の偉い先生たちが巨大望遠鏡で探しているのは、ちょっとそんじょそこらの探し物とは違いますよ、奥さん。なんたって、クエーサーを探しているんですから。クエーサーですよ、Quasar!QSO!これはquasi-stellar radio source 略です。日本語では「準恒星状電波源」というようです。かなり乱暴にいうと、地球から一番遠いところにある銀河のことで、今観測されている一番遠い銀河は約129億光年先だといいます。こりゃあ遠いです。

そんな遠い所のお話ですから、「一言も聞き逃しちゃなんねえな」と思い、聞こえてくる言葉を必死にメモしまくっていたのですが、その中に何度か出てくるのに、マシタには全く意味の分からない言葉がありました。それは
赤方偏移(せきほうへんい)
という言葉です。

帰宅して早速ぐぐってみて驚きました。ウィキペディアにも、ウィキペディア以外のサイトにも「赤方偏移」を説明するサイトはいっぱいある!世の中、自分が知らなくても他にたくさんの人が知っていることっていっぱいあるんだなあ!!(←それ、当たり前ですから。)

でも、それらのサイトを次々読めば読むほど、どんどん分からなくなってきてしまいました。大混乱です。一体、何がわからないと、いうのでしょうか。

1)波長ってなんなのか、わからない。

もう、この時点でアウトです。が、オバカさんはめげないので、とにかく解説を読むのですが、当然さらにわからないことが増えていくのです。

2)スペクトルという言葉や光という言葉の定義がわからない。
3)電磁波がどういうものかわからない。光とどう違うのか、その動きや性質もわからない。
4)「ドップラー効果」のようなもの、と説明しているサイトも多いが、「ドップラー効果」自体実はよくわかっていない。

ドップラー効果というのは、走っている救急車の音が変化する現象だとよく聞きます。(※スーパータレント柳沢慎吾の「警察24時」のサイレン・ネタは、ドップラー効果を芸術的なまでに活用したネタかと思われます。ドップラー効果に関わらず、これは日本人なら一度は見なきゃいけないネタでしょう。)
それと同じように、光(電磁波)も遠ざかれば遠ざかるほど元の波長からずれてしまう、ということなのですが・・・

7)音と光の違いがわからない。
(もう、やばいです。)

というわけで、混乱しているマシタが赤方偏移を語ることはできませぬ。ただ分かるのは、赤方偏移をきちんと知りたければ、まずは、上の疑問を解決が先じゃないのでしょうか、ということですね。分かりもしないことを分かったように振舞っているばやいじゃあ、ぬぁいのではぬぁいのでしょうかあ!(反省)
今、サイエンスカフェやらサイエンスコミュニケーションが流行っていて、マシタもそれ関連のイベントが好きですが、実はそれは、一般人と科学者との理解の差も遠く、宇宙年齢くらい遠く離れてしまっているということの表れなのでは、とも思うのです。私だけかもしれませんけど、こんなに遠いのは。

もしも、「おいらは数学が得意だ」という方がいらっしゃいましたら、こんなサイトもありますのよ。
http://skyserver.sdss.org/edr/jp/
いつかこのサイトでやる計算にチャレンジできたらいいなあ。まあ、129億光年先の夢でしょうけども。

はい、それでとっとと今日の結論。
「赤方偏移を素人が理解するのは、クエーサー発見より難しい!」

2013年5月3日金曜日

ぞわっ、鳥肌の星空

2012年のある日、私は、北鎌倉たからの庭の「暦と月と日本酒の会」に参加しました。
おーー!ついに!ゆったり趣味の時を過ごす、念願のおしゃれな宙マダムの仲間入りをした!と思われた時、講師のプラネタリウムプランナーのかわいじゅんこさんが、プロジェクターにこの写真を投影してこう言った。
ハッブル・エクストリーム・ディープ・フィールド(XDF)
NASA, ESA, G. Illingworth, D. Magee, and P. Oesch (University of California Santa Cruz)
 R. Bouwens (Leiden University) and the HUDF 09 Team 
「これ全部、銀河なんですよ~。私はこれを最初に見たとき鳥肌が立ちました~(ニコッ←じゅんこ先生スマイル)。」

本当にすごい写真です。
なんてったってハッブル宇宙望遠鏡ですから。地上約600km上空で撮っている写真ですから。めちゃめちゃ小さいエリアを、10年間、200万秒という恐ろしく長い露光時間で2000枚撮影したんですから。そしたら、そのエリアの中に最も遠い(古い)と思われる銀河が見えちゃってるんですから。今まで見えなかった銀河が5500個も撮影されているんですから~。
し、しか~し、実はその時マシタは、かわいさんのおっしゃる「鳥肌」レベルまでは行っていなかった。ぞわっ、とはしていなかった。確かにスゴイ、しかし、なぜだ!?なぜ、ぞわっとできなかったのか!?
そして星のお話の後に出た日本酒と美味しいお料理で、マシタは全てを忘れ、その疑問は迷宮入りかと思われたある日、LiCaHOUSe(理科ハウス)のプラネタリウムの中で館長からこんな解説を聞いた。「ここに見えているのはほとんどが恒星です。」
はいはい、それで?知ってますよお!と得意げに鼻をならしたその時、私に何かが降りてきた!

・・・って、えっと、恒星って何だっけ?恒星って、太陽みたいな星だよね・・・・
ぎょえーーー!!全部太陽みたいなんですかーー!あれらはーーー!!!!←やっぱりマシタ頭悪い
皆さん、先ほどのハッブル宇宙望遠鏡の写真にぞわっとするポイントは、太陽です。銀河は太陽のような星がどえらいいっぱい集まっているのです!あなたの持つ太陽のイメージ、こんなのでしょうか。

アポロに扮したルイ14世(「太陽王」)
クロワゼのポーズっ。
こんなのでしょうか。

古代エジプトの太陽(夕陽)の神様、アテン神
(中央の王様は、アメンホテプ4世だよ。)

えっ、違う?じゃ、こんなのでしょうか。

太陽の内部で起きていると思われる核融合反応の図。

あ、難しい?じゃ、こんなのかな?

「太陽族」
 いや、どんなイメージでもいいのです。とにかく、星空には、太陽がすげえいっぱいあるんだって想像してみてください、皆さん!!ぞわっとするはずです!
太陽がいっぱい。
いや、こんなもんじゃないよ、ホントは。
しまった、マシタ、一生の不覚。なんとなく分かっているつもりだったが、実感がなかった。だって、夜、月や木星や火星、金星なんかはとっても明るく見えるから!それに国際宇宙ステーションから見ると地球は美しく青く光っているから!

そして押し寄せる衝撃の事実。ああ、なんということでしょう!あれは自分で光っているわけじゃないのね!私たちが夜空の星を見上げたとき、遠い星は、自分で光っているものが見えているわけなのね!そして逆に、もし遠い遠い宇宙に行ったら、私たちの地球なんて全然見えないのね!

確かに、地球はみえないかもしれないけど、私たちが地球みたいな星をみることはできるようです。地球上には、遠い遠い「太陽」はもちろんのこと、ちょっと遠い「太陽」の周りの「地球」を見ることにも命をかける人たちがいるのである。(ここから、BGM 中島みゆき)
それは、岡山、すばる望遠鏡の業績を引き継ぎ、ハワイのマウナケア山頂に巨大な30mの主鏡を持つ30m望遠鏡、つまり、TMTThirty Meter Telescope)(←ほかに、名前なかったんでしょうか・・・)で「きわめて野心的な目的で」観測をしようという人たちである!(平塚博物館 特別講演会『TMTで探る銀河の誕生』 講師 家 正則先生のお話を聞きました。)
TMTは2021年に完成を予定しています。これが、すごいんです。補償光学とか、赤方偏移17という数字とか、すごいキーワードはいろいろありますが、マシタがまずすごいと思うことはこんなこと。

すご1)ちっさい光が見える
もしも、月の上に蛍が一匹一時間休んでいたら、その光が撮影できちゃう。もし、アナタが月で携帯使って怪しいサイトを見ていたら、もうTMTにはばればれです。すごいですね。怖いですね。
だから、ちょっと遠い宇宙なら、どこかの「太陽」をまわっている地球みたいな太陽の光を反射している星も探せるんです。

すご2)鏡の材料
TMTの主鏡(光を集めるでっかい鏡)は、幅2mの六角形のガラスを492枚つなげて作られます。このガラスは超低膨張といって、スーパー耐熱ガラスというか、熱くても寒くてもまったくといっていいほど縮んだり膨れたりしないガラスなんです。(私のお肌は伸びきっちゃって、超低収縮ですけどね。悲しいですね。)492枚を一枚に見せる。あっちを削ってこっちを削って、つるつるなめらか~にするのは容易じゃありませんです。ドモホルンリンクルを使っても難しいでしょう。

すご3)鏡の動きを支える部品(アクチュエータ)
30mものおっきな鏡を、例えば「2ミリ左」に動かすのは大変です。お部屋の模様替えで家具を動かすとき、ご主人に「あと2ミリ左」なんて指示しますよね。花瓶くらいなら「2ミリ左」もできるかもしれないですが、3人がけのソファーやピアノだったら、ご主人「無理!」っていうでしょうね。
そんな感じ(のような感じ)のことをTMTのアクチュエータはやっちまうんですよ、奥さん。何百個ものセンサーが、重さをで見分けて制御しちまうんですよ。へっへ。

すご4)お高い
費用2000億円。Intelの社長が250M$を寄付。(お高いんざます。)下々の一般人からも絶賛寄付受付中ざます。(1000円から)⇒ http://tmt.mtk.nao.ac.jp/donation2-j.html

こんなすごいメカたちが、私たちにぞわっとする「太陽たち」の集合写真を撮ってみせてくれるんだな、と思うとぞわっとします。また、夜空の真っ暗と思われる部分におそろしい数の「太陽たち」がいるなんて、本当にぞわっとしますね。TMTの完成が待ち遠しいですね。

星空を眺める―なんだか情緒があって癒される時間。お酒があったらなお最高。その時に、専門家の方のお話を聞いて、ちょっとだけ見えないところを想像して夜空を見上げてぞわっ、と鳥肌体験。そんな星空観測はいいなあ思うんですよ~。(おわり)