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2013年5月23日木曜日

ニュートンにまつわる愚かな妄想

ニュートンにまつわるアタクシの愚かな妄想のお話。

アタクシがすっかりおばさんになったある日、「ニュートン」という名前が聞こえてまいりました。それを聞いてアタクシが思い出したのは・・・

サー=アイザック=ニュートン (Sir Isaac Newton)という称号つきの名前
でもなく、
ロンゲの肖像画
でもなく、
ニュートンさん。ロンゲです。
1642年12月25日(1643年1月4日)というお誕生日
でもなく、
よく言われる「ニュートンの三大発見」~「微分積分学のという新しい数学をつくったこと」「万有引力を発見したこと」「光学、特に色の理論や反射望遠鏡の研究」(※1)
でもなく、
りんごが落ちるのをみて万有引力の法則を想起した・・・というエピソードでございました。
有名なエピソードですね、超有名です。ところが、子どものときは全く疑問に思わなかったのですが、悪い癖で、ちょっとした疑問(妄想)が出てまいりました。

平日昼間っから、りんごの木の下でぼーっと考え事⇒仕事してないのか?

ニュートンは、なぜそんなにボーっとしていられたのでしょうか?一体何をしてお給料をもらっていたのでしょうか?それとも超セレブだったのでしょうか?一体、世の中はどうなっているんでしょうか!?
そもそも「平日昼間っから」とか「ボーっと考え事」というシチュエーション設定が、いかに無知かを物語っています。こういう大人になってはいけません。そこで、いくつか本を読んでみることにいたしました。
 1)『人類の知的遺産37 ニュートン』
  萩原明男 著(昭和57年 講談社)
  (ISBN4-06-145337-8)
 2)『天才!?科学者シリーズ7 ニュートン ~宇宙の法則を見つけた男~』 
  ルカ・ノヴェッリ 著 
  関口英子 訳  日本語版監修 滝川洋二 
  (2009 岩崎書店)
  (ISBN 978-4-265-04677-5)
 3)『数学をきずいた人々』
  村田 全 著
  (2008新装版 さ・え・ら書房)(1976年初刊行)
  (ISBN 978-4-378-01831-7) 

すると、りんごのエピソード、あるいは、万有引力の法則の着想があったのは、1666年頃、ニュートンが学士を取得してから「特別研究生待遇」を受けるまでの間に起きたことだろうと書かれておりました。その頃ロンドン市内でペストが大流行して大学が閉鎖されて、ニュートンはふるさとに戻っていたそうでございます。つまり、学校閉鎖で実家に帰った学生さん、ということでしょうか?現代の日本の大学生と17世紀のイギリスの大学生は、だいぶ立場や状況が違うのかもしれませんが、もしそういうことであるならば、納得でございます。それならば時間がありそうです。
とはいえ、まさか学生時代に大発見をしたとは思わなかったのでございます。アタクシは、初電の山手線を爆睡して二周してた年齢でございました。これは驚きでございました。

その後、ニュートンは大学教授になったそうでございます。ふむふむ。きちんと研究をして知的貢献をしてお給料をもらっていたということなのですね?そして、着想をまとめた論文が、『プリンキピア~自然哲学の数学的原理~』という本で、出版されたのは、1687年の夏なのだとか・・・

いけません。これを聞いて、また悪い癖が出てきてしまいました。またしても妄想です。そんなことよりも、『プリンキピア』という書物がどれほど偉大な書物か、万有引力とは何かなどを調べたほうが有益だったのです。こういう大人になってはいけません。そこで、ワタクシは、怪しげなテンの声に叩きのめされることになるのです。

(以下、対話)
愚かな主婦: 20年だなんて、長いわ~。

テンの声: こらこら、愚か者よ。その20年間にニュートンにどんな闘いがあったかはどの本にも書かれておる。

愚かな主婦: ・・・(汗)(←実は、飛ばし読みした)

テンの声: わかればよろしい。丁寧にお読みなさい。そして、3)の本の筆者がこんな言葉を言っておる。抜き出すからお読みなさい。そして、猛省なさい。

「どんな難問でも、解けるとわかっておれば、やりようもあります。解けるか解けないかもわからなくて、へたにそれに顔をつっこむと、一生を棒にふるかもしれない。そういう「問題」の研究こそ、学問というもののおもしろさがあり、それとともにそのおそろしさもあるように思えます。そしていうまでもなく、ニュートンとその競争あいてがいどんでいた問題は、こういうタイプのものだったということを、おぼえておいてください。」 (※2)

愚かな主婦: ま!!解けるかどうか分からない世界なんて怖い!怖すぎるざます。これが学問の世界なのですね~。
でもぉ・・・子育てとか会社勤めでも、シビアなこといっぱいあるざます。責任を感じて怖くなることもあるし、競争あいてもたくさんいるざます。実母とか上司とか姑とか小姑とか同僚とか後輩とか近所のおばちゃまとか他の会社Aとか・・・。必死に、自分の子育てや営業理念で悩むことも多いですわ。すでにある意味で一生を棒にふっちゃってるかもしれないし、これだって、そういうタイプの「問題」といえないのかしら~?

テンの声: まだわからぬのか、愚か者よ。では、3)の本からさらにこんな言葉を投げてさしあげましょう。あなたにこれができるというのですか!?さあ、猛省なさい!

ニュートンとは「法則を実際に打ち立ててみせるという仕事をほんとうに実行し、宇宙にはこのような法則があるのだぞということを、議論でなく、事実によって、後のあらゆる科学者にしめしてくれた最初の人」 (※3)
「新しい道をひらくことは、もの知りになるのとは一段と質のちがった仕事なのです」 (※4)

愚かな主婦: ははーっ。20年間、シミを増やしただけのアタクシとが質が違うのですね。考える時間が20年あっても、400年後まで通じる新しい法則を打ち立てることなど、ましてやそれを皆が納得する方法で説明することなど、アタクシにはできませんわ。日々、手抜き料理をして、コンビニスイーツに一喜一憂してるだけざます!ごみんなさーい!
(対話おわり)
というわけで、なんだかさっぱり分からなくなってしまったかもしれませんが、「ニュートンは仕事をしていない」、「20年は長い」というアタクシの妄想は、とんでもない不謹慎な妄想だということを自覚したのでございます。そして、ニュートンが、お気楽な主婦にはない、めっちゃ厳しい命がけの姿勢で科学に向き合っていたことを知ったのでございます。
ここでは3)の本からの言葉しか抜き出していませんが、ニュートンが偉大であるということは、上の3冊のどれを読んでもビシビシ感じられるのでございました。それぞれに、感慨深い箇所があったので、また次回お話いたします。(つづく)(←えっ!続くの!)

※1『数学をきずいた人々』、「ニュートン」 ペスト休みのあいだに P.158
※2『数学をきずいた人々』、「ニュートン」 三大発見(2)-万有引力と光学 P.169
※3『数学をきずいた人々』、「ニュートン」 ニュートンのリンゴと、コロンブスのたまご P.130
※4『数学をきずいた人々』、「ニュートン」 『原論』を読む P.147

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