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2015年12月10日木曜日

【報告】Sweet Science フツーのカイメンの水路な生活

Sweet Science vol.7 『フツーのカイメンの水路な生活』
2015年12月6日(日) @黒門カフェ 渚小屋
ゲスト:椿玲未さん(海洋研究開発機構 海洋生命理工学研究開発センター)
終了いたしました!ご参加の皆様、ご来場誠にありがとうございました!
簡単ではありますが、当日の様子を、おまけつきでご報告いたします。ご一読いただければ幸いです。

 逗子海岸から臨む富士山も冠雪し、冬の到来を感じられる頃となりました。
寒さが緩んだ晴れの日曜日、海洋研究開発機構にて日々海綿の研究にいそしむ椿玲未(つばきれみ)さんをお迎えして、Sweet Scienceシリーズの第7回目が行われました。題して『フツーのカイメンの水路な生活』。小学生、高校生の他、主婦の方が集まり、渚小屋のドリンクやスイーツ、軽食を片手にスライドトークを楽しみました。
スライドの準備をする椿さん。窓の外には海が見えています。
お話は、椿さんが所属する海洋研究開発機構(JAMSTEC)の説明から始まりました。そしてバイオミメティクスとは何か、海綿がどんな生き物でその体の中はどうなっている、最後にバイオミメティクスにおける生物学と工学の連携の可能性が熱く語られトークが締めくくられました。
真剣にお話を聞く参加者の皆さん
熱心に海綿の魅力を語る椿さん
途中、鋭い質問をする方もいる一方で、「難しい」とおっしゃる方も。また自然に椿さんに語りかける小学生の姿。夕闇が迫ってもなお、渚小屋ではケーキやサンドイッチ、延々と続く質問やお隣の方とのおしゃべりに溢れていました。大学のセミナーのようであり、小学校のようでもあり。まさにサイエンス「カフェ」として、研究者と一般の方が出会う一つの理想的な場だったのではないでしょうか。
本日の軽食。途中の休憩時間に出されました。
本日のスイーツ(トーク終了後のお楽しみ。どれか一種類を選んで頂きました。)
恒例のアンケート回収箱に入れられた感想はどれも嬉しく、暖かいものでした。励みになります。ご協力、誠にありがとうございました。
今回の問題は、海綿の入水孔の大きさについてでした。答えは、③0.001~0.002mm(10~20μm)でした。小さいですね!Blue Earth136号28ページの写真もご参照ください!
なお、今回の椿さんのお話の一部は、JAMSTECの広報誌Blue Earth136号にも掲載されています。(ダウンロードは→こちらから) また、椿さんが書いた記事が来年、他の方々との共著で出版されるとか。タイトルは『貝のストーリー』(東海大学出版)。貝にまつわる様々なお話をまとめた一冊で、椿さんは海綿に共生する貝(ホウオウガイ)のお話をご執筆なさったそうです。楽しみですね!
 カガクの粒では、不定期で小規模ではありますが、科学や科学技術に親しむイベントを企画しています。当ブログの他、TwitterやFacebookでも、その都度ご案内しております。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。




【おまけ】
 フツーのカイメンの水路な生活科 ニワカハカセ課程受験対策
やっておきたい!頻出問題70くらい
『フツーのカイメンの水路な生活』に参加したら知っておかなければならない基本事項をまとめた最強の問題集。繰り返しチャレンジして栄冠をつかみとれ!手軽にできるチェックシート式!


~問題編~

<基礎>
海洋研究開発機構(JAMSTEC)について次の問いに答えなさい。
□JAMSTECは何の略ですか。正式名称を英語で答えなさい。
□JAMSTECが持つ有人潜水調査船「しんかい6500」は今年(2015年)何歳ですか。
□JAMSTECが持つスーパーコンピューターの名称を答えなさい。
□JAMSTECで行われている研究は、資源探査、気候変動、地震、海洋工学、(イ)、の主に5つに分類されます。(イ)にあてはまるものを答えなさい。

バイオミメティクスについて次の問いに答えなさい。
バイオミメティクスとは、生物の機能や構造をものづくりに生かすという考え方です。次の問い、および具体例(発想の元となった生物→応用された製品など)の空欄を埋めなさい。
□バイオミメティクスとバイオテクノロジーの違いについて、簡潔に説明しなさい。
□(ロ)→面ファスナー
□ヤモリ→(ハ)
□(ニ)→500系新幹線の先頭車両形状
□ハスの葉→(ホ)

海洋生物のカイメンについて次の問いに答えなさい。
(1)カイメンの体
□カイメンは動物ですか、植物ですか。
□カイメンは、単細胞生物ですか、多細胞生物ですか。
□カイメンの体を支えている、もしくは捕食者から身を守るために体表から突き出ている組織の名前は何ですか。
□カイメンは、細胞レベルまですりつぶしてシャーレの中に入れておくと再集合(する・しない)。どちらか。
□上記のすりつぶし実験をした人物の名前を答えなさい。
□カイメンが最も原始的な多細胞生物とみなす、理由は何ですか。
□カイメンには神経系がありますか。

(2)カイメンの水路
□カイメンに体の中で、餌の摂取から排泄までの運搬を担う器官を答えなさい。
□カイメンの体の中で、人間の血管に相当する器官を答えなさい。
□カイメンの体の中で、精子や卵を運ぶ器官を答えなさい。
□水を取り込む入口である入水孔の大きさ、またそれがカイメンの体のどこにあるかを答えなさい。
□取り込まれた水が入る球状の細胞室に、並んでいる鞭毛を持った細胞の名称を答えなさい。
□襟細胞はなぜ襟細胞という名前か答えなさい。
□カイメンには水路のないカイメンが(ある・ない)。

(3)水流を起こすしくみ
□カイメンが水流を起こすために消費するエネルギーは、全エネルギーの約(5%・30%)。どちらか。
□水流を省エネルギーで起こすためにカイメンがしている工夫はいくつかあります。浅いところで生息しているカイメンは光合成微生物と共生しているものもあります。共生微生物が多いと、カイメンの襟細胞室の数は(多くなる・少なる)。どちらか。
□微生物の他に、カイメンに共生して水路の省エネに貢献する生き物をひとつあげなさい。
□カイメンの襟細胞で、水流を発生させているモーターの働きをする部分の名前を答えなさい。
□カイメンの襟細胞の鞭毛は(回転・屈曲)運動をする。どちらか。


(4)水路のネットワーク構造
□カイメンのネットワーク構造は、2015年12月現在、すべて解析されて(いる・いない)。
□カイメンの水路は、太くなればなるほど数が(少ない・多い)。どちらか。
□カイメンの水路は、細くなればなるほど数が(少なくなる・多くなる)。どちらか。
□カイメンの水路のネットワークは、(スケールフリー・ランダム)ネットワークである。どちらか。
□日本にはMRI検査を受けたカイメンが(いる・いない)。

④まとめ
□生物学と工学の相利共生関係の可能性を秘めた研究分野を答えなさい。


<応用>
□カイメンの繁殖の定義とはなんですか。
□磯などの行き止まりに行ったカイメンの細胞はどうなりますか。
□細かいものが水路に取り込まれて詰まったりすることがありますか。
□カイメンの一部が壊死したり食べられたらどうなりますか。
□水路がないカイメンは、なぜカイメンなのですか。
□カイメンの養殖のスピードは速いのですか。
□カイメンを収穫しても、またそこから増えるのですか。
□カイメンの養殖は、ボディスポンジ専用の養殖をしているのですか。
□海の中にいるときから、市販のボディスポンジと同じ触感なのですか。
□養殖しているカイメンは、色もこのままですか。
□カイメンの一つの細胞単体で、生涯動き回る面積や体積は決まっていますか。そういうトレースはしていらっしゃる方はいますか。
□JAMSTECは、生物学と工学の連携が実現可能な環境ですか。
□カイメンはどのように呼吸して(体の中に酸素を行きわたらせて)いますか。
□倒立顕微鏡で見た先ほどの画像に映っていた小さな生き物のようなものは何ですか。
□椿さんがカイメン研究を始めたきっかけはなんですか。
□深海6500は6500mまでしか行かれないのに、どうやって8000mの深さのカイメンを採集できるのですか。
□8000mの深さに生息するカイメンは肉食が多いのですか。
□ただの輸送ではなく、水輸送に着目する理由とは。
□カイメンの鞭毛の根元にはモータータンパクはないのですか。
□カイメンの鞭毛運動の回数は調節できるのですか。その時々によって速さが変わるのですか。
□カイメンの体全体が収縮・拡張させる指令は何が出していますか。
□カイメンは骨片をある一点の場所をつかって作り、それを束ねて建築のように組み立てると聞いたのですが。説明をお願いします。
□骨片は水路で運ぶのですか。
□先ほどカイロウドウケツみたいな形の画像がありましたが、あれもカイメンですか。
□カイロウドウケツにエビがすんでいるのは、水流とは関係ないのですか。
□カイメンはトイレとかしますか。
□ガラスカイメンが骨片をつなげていく時、持って行ったところにガラスのフィラメントを巻きつける感じでくっつくのですか、完全にくっつくのですか。


<演習>
カイメンの水路を模倣した、水輸送を効率化したネットワークを考え論じなさい。


~解答解説編~
問題の「基礎」は椿さんのトークのトピックです。しっかりおさらいしましょう。「応用」は参加者からの質問。これに答えられれば完璧。「演習」はぜひお試しください。あなたの考えを世界が待っています。なお、解答は、JAMSTEC広報誌を購入、もしくはダウンロード、JAMSTEC一般公開(毎年5月)に足を運び、椿さんをとっつかまえて聞くなどして、ご自分で調べてみましょう!

(おわり)

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