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2016年4月19日火曜日

【報告】顕微鏡で宝探し

国際光年の翌年記念 特別企画
『顕微鏡で宝探し』
2016年4月10日(日)開催

昨年2015年は国際光年。それにちなんで、光学機器の代表である顕微鏡に親しむイベントを行いたいなぁ・・・またしても中の人のそんな安易な思いつきで始まった今回の企画。顕微鏡と言えば、ウェブサイト『結晶美術館』でおなじみのマイクロフォトスタジオ・ねこのてぶくろ亭、主宰のだぶさん。2014年9月に「結晶のすがた」でお世話になったこともあり、「お願いしまっす、4月に♥」と昨年中に軽く、かるーくお願いしていたのでした。どうせなら、光つながりで、いろいろやっちゃおう、ああ、それなら人手がいるわね、あの方とこの方と、あれやってこれやって・・・お願いね~!!後先を考えず妄想を広げるのは得意なんです、広がってますよー妄想!

そして、2016年4月がやってまいりました。月日の経つのは早いものです。
4月。みなさん、4月です。わかりますね?4月です。大人は超多忙な3月の次の月。年度末と新年度がばっちり被っている4月です。私もあなたも彼も彼女も忙しい4月なのです。つまり小声で言うと・・・

ぎゃおーん、打ち合わせがぜーんぜんできてないっ(汗
とりあえずメッセージ送る→返事なし!みんな生きてんの~?
とりあえずタイムスケジュール送る→私の文書が意味不明!あははのは~!
中の人、激しく多忙でやや鬱!なんでも一人でやったる症候群、おーい、だ、だ、だいじょうぶか~!
サンプルに備品?ない、なんもない!

ああ、まるで意地っ張りの中学生の夏休み最後の日。妄想だけが先走り。さあどうする!このイベント、できるんでしょうか!?


当日がきてしもうた
10台の本格的顕微鏡が予定通りやってきました~。よかったよかったー(泣)。その他、身近な光の物理現象である虹を室内で作ることができる虹ビーズを使ったミニワークショップ、数ある顕微鏡の中でも金属の組織観察をするための特別な顕微鏡についてのミニトーク、顕微鏡や光学の歴史に親しむミニゲームも準備できました。(どや!ほぼチラシで予告した通りやで!)
ゆるーい告知であったにも関わらず、小学1年生から高校生まで、また成人も含め、30名余りがご参加くださいました。わーい!ありがとうございまーっす!
ようこそ『顕微鏡で宝探し』へ!会場は神奈川県逗子市の黒門カルチャーくらぶ。古民家を利用したレンタルスペースです。大きな黒い門が目印です。
会場は逗子海岸目の前。快晴だと中央に富士山がいるのですが・・・。
縁側のある会場。この縁側が入口ですよん。(準備中の様子)

「観察してみよう!」(顕微鏡観察)
チラシには、3種類10台と書きましたが、当日だぶさんが持ってきてくださったのは、なんと4種類10台でした。双眼実体顕微鏡、生物顕微鏡、偏光顕微鏡、金属顕微鏡です。最初の2つは学校でも覗くことができますし、偏光顕微鏡は科学館でも場所によっては置いてあることも。金属顕微鏡は一般人はなかなか覗く機会がないんじゃないかなぁ?
それにしても、だぶさん、いっぱい持っていらっしゃる。だぶさんは、なぜこんなに顕微鏡を持っているの?ねえ、なんで?
ずらっと並びました。これを1台1台運びみんなが覗けるようにするのは簡単なことじゃありません。慣れている方3人がかりで、見えるかどうかチェックしてくださいました。
今回ねこのてぶくろ亭さんにお願いしたことは、「顕微鏡は、子供に自由に触れるようにしたい」ということでした。見たいサンプルを自分で選び、自分でステージに置き、自分でピントを合わせる。飽きたら帰ってもいい、ずっと覗いていたかったら残っていい、一人一人のペースで楽しめるようにできたらいいな、と。
種類によっては扱いに慎重を要する顕微鏡もありましたが、要望通り、子供が自由に好きなようにいじっていい双眼実体顕微鏡がちゃあんと用意されていました。
ずらっと集まったサンプルは、湘南海岸の砂、調味料、ビスマスの人工結晶、コンピュータの部品、大きなミジンコ、砂金の混じった砂鉄、カボチャの茎や竹の輪切りのプレパラート・・・えーっと他には・・・あんぱんもあったね!顕微鏡は自分で動かしてみないとわからない面白さがあります。ご参加の皆さんは、思い思いに楽しめたでしょうか?
何が見えるかな~?自分でピントを合わせてみよう!サンプルもいろいろあるよ~。
ほとんどの人にとって初めての金属顕微鏡のわきにはこんな説明。今覗くと、こんなものが見えるよ!
偏光顕微鏡の脇には・・・わ、ベンゼン環・・・
おいしそうなサンプル
宝探し真っ最中。顕微鏡を覗きながら砂の中の宝物をピンセットで採集。すごい集中力です!

顕微鏡観察には、近隣で生物や理科を教えている先生方も思いがけず応援に来てくださいました。ありがとうございました!
スライドガラス、カバーガラス、ピペットにシャーレの貸出、大きなミジンコから砂鉄などのサンプルまでご協力くださったO先生。子供たちに見せようと、北海道の八十士(やそし)の砂鉄から砂金を探している所。
これはスマホ顕微鏡。K先生がご持参くださいました。みんなで観察するならこのタイプがいいですね。ミジンコも大きく映し出されています。

「虹を作ってみよう」(ミニワークショップ)
ミニワークショップコーナーでは、川崎の科学教室で講師を務めていらっしゃるたかさんが、虹のシート作成を指導してくれました。
黒い画用紙にスプレーのりをシュー。画用紙に均一に吹き付けるのが少し難しいなあ。それから白い粉のような虹ビーズをさらさら~。これはケースに画用紙を入れるだけだから簡単。保護用のプラ袋に入れて光を当てると・・・。わーぉ、虹が浮いて見えます。雨上がりの空にできる虹と同じ原理で虹が浮かび上がるのです。
念のためビニール手袋をつけました。保護眼鏡も用意しました。
小学6年生作の虹のシート。ううむ、本当に虹が見えるの?
光を当てると・・・あ!虹だ!
虹ビーズを顕微鏡で見ると、細かいガラスの粒だということがわかりますね。

虹ビーズの工作はこちらのページ(「オリンパス わくわく科学教室 人工虹」)にも詳しく載っています。ネットショップでもいくつかの工作キットが市販されていてそれを買うこともできます。
ただし、上の顕微鏡写真でもわかるように、虹ビーズは細かいガラスの粒。ビーズがついた手で目をこするとケガをすることも。小さなお子さんと行う場合は、念のためマスクや保護眼鏡やビニール手袋を用意するなどして、十分に気を付けましょう。また、工作や実験後に落ちたビーズは掃除機で吸い取りましょう。後片付けもとーっても大切です!
今回は、小さなLEDライトを用意しましたが、豆電球やハロゲンライト、おうちにある様々な光源で試してみてください。どうなるかな~?面白いことを発見したら、カガクの粒までご連絡くださーい!

(ちなみに、たかさんがいる科学教室を主催する団体のホームページはこちら→発見工房クリエイト 私設の科学館でもあり、年に一度一般公開をしています。私が虹ビーズを始めてみたのもここにおいてです。コリオリの力を体験できる遊具、クラインの壺のジャングルジムなどもあり、大変すばらしい場所です。ぜひ一度お出かけください。賛助会員も募集中です→こちらから。)

このブログを今読んでいるそこのアナタ。少し読み疲れている頃ではないでしょうか。は、はい。長いですよね・・・
だがしかし!次の記事を読まずして帰らせませんわよ!あたくしだって、こんなに盛り沢山だったことを今になって唖然としてるのですわよっ!さあ、お読みなさいっ!(なぜか命令口調)


「金属の中ってどうなってるの?」(ミニトーク)
金属顕微鏡なんてものがあるって知ってましたか?恥ずかしながら、私は知りませんでした。当初、このイベントに金属顕微鏡は来ない予定でしたので、こんなのだよと説明してほしいなと思いました。依頼したのは東京工業大学博士課程にてアルミを研究なさっているえぬさんこと中安さん。この方お若いのか年配なのか・・・とにかく知識の守備範囲が広いんです。いろんなことをご存知です。思いついたが吉日。さっそく無茶振りしちゃいますよ♪
「トークは15分で小学生向けに♥」
ひゃー、金属顕微鏡なんて一般人が使うことなんてそうそうないのに、しかも15分でぇ!?そんな無茶振りにどう応えますか!えぬさん、どんなふうに説明するんだろう?わくわく!(おい)
もちろん説明します
金属ってなんだろう、そして、光を通さないものを見るためにどうしたらよいか、そんなところからお話は始まりました。ああなるほど、金属は光を通さないんだ・・・当たり前だけど、ついさっきまで顕微鏡を覗いていたからこそ、なるほどと思えます。金属顕微鏡の光の当て方、そしてその中で見えるもの、見えたらどうするか、さらには鍛冶師と現代科学者との違い、そしてご専門のアルミの話まで。小学生にはむずかしかったかもしれませんが、金属を研究する意味や科学が現代社会にどう関わっているかがよく分かるお話だったのではないかと思います。質問もたくさん出ました。

「悪い顔の金属かどうか調べます」という表現が面白かった!金属のお値段の話では大変盛り上がりました。
アルミ缶ができるまで。金属が伸びたときに表面が勝手につるつるになってくれるのは当たり前じゃん?と思っていましたが、それは科学技術の賜物なのですね。
アルミのインゴットの他、様々な素材をご持参くださいました。これはエアコンで使われている素材。室内用(左)と室外機用(右)では撥水が違います。
大学生というと、「暇なんじゃないのぉ~?」と思われる方もいるかもしれませんが、博士課程ともなれば超多忙な研究者です。研究はもちろんのこと学生指導、各種事務等々、激務の日々。本当は一般向けのお話をする暇もない位なのでしょうが、今回の無茶振りにお応えくださった中安さん。興味深いお話、さすがでした!科学の研究最前線では優秀な人材が育っているのだなあと感慨深く思う私でした。



最強の戦士を狙います!(ミニゲーム)
顕微鏡と光についての歴史をテーマに、手作り感満載のパネルを作りました。ストローと綿棒で吹き矢をして、的(穴)を狙うというゲームです。小さなお子さんも遊べましたよね。
奥にぶら下がっているのが、ミニゲームのパネルです。
このパネルの中の人物はいずれも、光学や顕微鏡の開発において大きな貢献をした科学者です。ここには8名しか載せられませんでしたが、光学理論や顕微鏡の技術開発に携わった人々は本当にたくさんいます。
また、パネルを作りながら初めて知ったのですが、顕微鏡にまつわる科学の理論は大変奥が深く、まだ発展途中のものもあるのですね。参加してくれた小学1年生が大人になった時に、もしかしたらもっともっと小さな生き物の姿が見えるようになっているかも?
誰を狙う?ニュートン?フック?よおーく狙って!
綿棒が穴を通ったらシートにシールを貼りましょう。全員狙えたら、君も「顕微鏡と光の最強の戦士」だ!



「顕微鏡で宝探し」(ミニトーク)
『顕微鏡で宝探し』と題しまして、イベントの締めとしてだぶさんにして頂いたお話は、顕微鏡で覗いたサンプルをスマートフォンや携帯でどう写真撮影するか、というものでした。ぶれないにはどうしたらいいか、わかりやすく説明してくださいましたよね!それを聞いた参加の中学生と高校生が撮影した写真をお見せしましょう。なかなかよく撮れています。こんな宝物を見つけたよ!
さ、砂金だ!
金属顕微鏡を覗くと・・・どうですか?これは「いい金属」の顔をしているのかな?
おいしいサンプル(表面)
うわぁ!(偏光顕微鏡で)
珪藻。このプレパラートは、顕微鏡の性能をチェックするときにも活躍します。
シックな塩の姿
文字が見えるね?なんだろう?
川の水の中にもこんな宝物が。
色も形もおしゃれではないですか。カビなんですけどねっ。
ビスマス人工結晶。顕微鏡で見てもこの角は不思議だねえ。
大都市の衛星写真みたい
きれいだねえ
ため息
顕微鏡の写真は実物の大きさと見比べると実に面白いです。本当はスケール(大きさ)などをチェックしておくべきだったのですが、わたくしすっかり忘れてしまいました。ごめんなさいっ。

顕微鏡は技術が先に発展し理論が後からついて行った部分があるところも面白いですと、だぶさん。顕微鏡という機器の技術、そして光学理論をはじめ、観察するための理論は、現代社会を陰日向に支えています。そして、ご覧のように、初学者を科学の世界へいざなう魅力も持っています。今回のイベントに参加の皆様が、そんな幅広い顕微鏡と光の世界の一端に触れてくださったのなら幸いです。おうちで、学校で、お友達と、家族と、どこかでまた顕微鏡と科学の世界を覗くことがあるとよいなあと願って止みません。

あ、そうそう、顕微鏡の本体の世界(レンズ収集など)は、「泥沼」だと伺っています。足を踏み入れる場合は、用法容量を正しく守ってくださいね♪
というわけで、イベントはこれでお開きです!ご参加の皆様本当にありがとうございました!感想がありましたら、ぜひお寄せください!
だぶさんと参加のI君(まだ撮影方法を習っていないときの様子)

最後になりますが、今回のイベントを行うにあたり、ご参加・ご協力をいただいたすべての皆様に心より感謝申し上げます。どうもありがとうございました。
(おわり)

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